• COP29主催者、原子力を審議に含めることを目指す
  • 英国原子力産業界、ニュークレオ炉の国内使用の妥当性評価を求める
  • ノルウェーのSMR用地がさらに特定される
  • PSEG、ニュージャージー州の原子炉3基の20年延長を目指す
  • EDF: 応力腐食は2025年まで残る問題
  • 米国原子力学会CEO: NRCは先進炉規制で大胆になる機会を得た
  • ケンタッキー州知事、原子力法案に拒否権発動で理事会の人選に言及
  • オランダAMGがMOX燃料製造技術を推進する新会社を設立
  • ウクライナ・エネルゴアトム、新たな核燃料施設建設に支持を受ける
  • プリンストン大学、市販マグネットでステラレータを製作
  • RLS、すべてのGa-68放射性医薬品製造でガリアファーム・ジェネレータ使用へ
     

COP29主催者、原子力を審議に含めることを目指す

アゼルバイジャンのジェイフン・バイラモフ外務大臣は、「COPプロセスでの資源審議には、安価で促進に値する原子力技術を含めることが不可欠だ」と述べた。11月に第29回国連気候変動締約国会議(COP29)を主催するバイラモフ氏は、3月ブリュッセルでIAEA(国際原子力機関)とベルギー政府が共催した原子力エネルギーサミットで講演した。出席者への演説の中で同氏は、「温室効果ガス排出削減の手段として原子力がCOP28グローバル・ストックテイクに含まれたことは、まさに歴史的なマイルストーンだった。この発展は、世界全体での進歩の証しである」と述べた。 この進展は、原子力の安全性とセキュリティを確保する上で、全体として進展があったことを示すものであり、IAEAの有益な役割を浮き彫りにするものだ。

(画像: IAEA/NEWS 2024 ライブ フィードのスクリーンショット)

 

英国原子力産業界、ニュークレオ炉の国内使用の妥当性評価を求める

英国原子力産業協会(NIA)は、ニュークレオ社の鉛冷却高速炉LFR-AS-200の妥当性評価の決定(justification decision)を英国政府に申請した。 この決定は、国内で新しい原子力技術を運用するために必要とされる。政府は申請が受理されたことを確認し、環境・食料・農村地域省(DEFRA)が妥当性評価当局として担当する。DEFRAは今後、内部審査のプロセスと多数の法定顧問との協議を実施する予定だ。NIAは、妥当性評価の決定は英国で新たな原子力技術を運用するために必要なステップの1つであるが、特定のプロジェクトの進行を許可する許認可の類ではないと指摘した。「むしろ、これは、将来の規制プロセスの前段階として提案されている新たな原子力慣行の潜在的な利益と不利益の概括的な評価に基づく一般的な決定である」と付け加えた。

ニュークレオのTL-30 原子炉設計の断面図 (画像: ニュークレオ)

 

ノルウェーのSMR用地がさらに特定される

ノルウェーのノルスク・シャーナクラフト社は、最大5基の小型モジュール型原子炉からなる原子力発電所を建設する可能性を評価するため、ベルゲン西のオイガーデン市の土地の影響評価作業を開始することを決定した。ノルスク・シャーナクラフト社は、このサイトにはそれぞれ30万kWの発電容量を持つ5基のSMRを設置できるスペースがあると述べた。 これは、このサイトが年間125億kWhを発電する可能性があることを意味し、これはノルウェーの現在の総電力消費量のほぼ 10% に相当する。

オイガーデンの建設候補地(画像: ノルスク・シャーナクラフト)

 

PSEG、ニュージャージー州の原子炉3基の20年延長を目指す

米国PSEGニュークリア社は、ニュージャージー州にある3基の原子炉について、20年間の運転認可更新を求める計画であることをNRC(原子力規制委員会)に通知した。更新により、ホープ・クリーク発電所と2ユニットのセーラム原子力発電所は2050年以降も運転できるようになる。

ホープ・クリーク原子力発電所とセーラム原子力発電所。 (写真:PSEG)

 

EDF: 応力腐食は2025年まで残る問題

EDFは2025年末までに原子力発電所の応力腐食を解決することを目指している。同社は、この問題のために2022年以降、通常よりも多くの原子炉をメンテナンスのために停止させている。

2024/3/19、フランス・シボー原子力発電所 。ロイター/ステファン・マヘ

 

米国原子力学会CEO: NRCは先進炉規制で大胆になる機会を得た

米国原子力学会(ANS)のクレイグ・ピアシーCEOは、NRC(原子力規制委員会)の規制情報会議(RIC)のサイドラインでは先進炉を規制する連邦規則10CFR53案が話題の中心を占め、ほとんどの議論が肯定的であったと書いている。「しかし、その一般論の下には、ある種の宿命的な、肩をすくめるような冷静さが感じられた」とピアシー氏は書き、「工場で燃料をあらかじめ装荷してしまうものも含め、多数の原子炉の迅速な認可を優先する、よりシンプルでシャープな規則」を求めている。

クレイグ・ピアシーCEO(画像:米国原子力学会)

 

ケンタッキー州知事、原子力法案に拒否権発動で理事会の人選に言及

ケンタッキー州のアンディ・ベッシャー知事は、州内の原子力エネルギーを推進する法案に拒否権を発動したが、彼の懸念は原子力の利用ではなく、ケンタッキー州原子力開発局を設立する計画に関するものであると強調した。この法案は、当局の投票メンバーの多くを民間企業に選ばせるというものである。

2024/3/26 州議会議事堂で講演する ケンタッキー州のアンディ・ベッシャー知事 (AP写真/ティモシー・D・イーズリー)

 

オランダAMGがMOX燃料製造技術を推進する新会社を設立

オランダの特殊金属会社 AMGクリティカル・マテリアル社は、同社の焼結炉システムを使用したウラン・プルトニウム混合酸化物 (MOX) 燃料製造商業施設の開発に向け、新会社、NewMOX SAS を設立した。フランスのグルノーブルに本拠を置くNewMOX SASは、ドイツ・ハーナウにあるALDバキューム・テクノロジーズ社の子会社であり、MOX燃料製造向け焼結炉システムを含む真空炉技術に焦点を当てたAMGのエンジニアリング子会社となる。AMGによると、ALDのMOX技術はすでにドイツ、米国、フランス、ベルギー、英国で使用されており、最近ではALDがそのような炉システムを中国に納入しているという。AMGによると、商業用原子力発電所の使用済燃料の再処理から生じた民生用プルトニウムが現在世界中で約380トン保管されている。

AMGプレス

https://amg-nv.com/investors/press-release/nuclear-fuel-from-nuclear-waste-formation-of-newmox-sas-france/ 

 

ウクライナ・エネルゴアトム、新たな核燃料施設建設に支持を受ける

ウクライナの原子力大手エネルゴアトムは、ユジノウクラインスク市近郊に燃料集合体を生産する施設を建設する計画についての1日の公聴会を経て、地元コミュニティの支持を得たと発表した。同社によると、この施設にはウェスティングハウス社の技術がプロジェクトに組み込まれており、既製部品からVVER-1000原子炉向け燃料を組み立てることになるが、その一部はすでにエネルゴアトムのサイトで製造されているという。エネルゴアトムがユニークな生産施設と説明するこの施設の場所は、キーウから南に約300キロメートルの南ウクライナ原子力発電所に近く、建設により約110人の雇用が創出されることが見込まれている。

(画像:エネルゴアトム)

 

プリンストン大学、市販マグネットでステラレータを製作

プリンストン・プラズマ物理学研究所(PPPL)の研究者らは、市販の永久磁石と3Dプリントされたシェルを使ってステラレータを製作した。「永久磁石を使うことは、ステラレータを設計するための全く新しい方法だ」とプリンストン大学の物理学者トニー・チアンは言う。「この技術によって、新たなプラズマ閉じ込めのアイデアを素早くテストし、新しい装置を容易に作ることができる。」

MUSE、プリンストン・プラズマ物理研究所の新しいステラレータ。写真: マイケル・リビングストン/PPPL広報部

 

RLS、すべてのGa-68放射性医薬品製造でガリアファーム・ジェネレータ使用へ

RLS ラジオファーマシーズ社は、エッカート&ジーグラー社のガリアファーム・ジェネレータを31カ所のすべての放射性医薬品製造所に導入し、PETイメージング用のガリウム-68ベースの放射性医薬品製造を可能にする。RSLはこれにより、半減期が短く、患者への投与時間近くに製造する必要があるガリウム-68の製造に関する課題を克服できると期待している。

(画像:DOTmed)