• IAEAのグロッシ事務局長、イラク首相と平和的核開発計画について協議
  • シンガポールは原子力を検討しながら海外の専門知識を求める
  • 引用:ネクスジェンのカリアCEO、ウラン・プロジェクトの可能性を語る
  • ライトブリッジ事故耐性燃料製造のマイルストーンとなる押出成型デモ
  • 使用済燃料のオンサイト貯蔵コストは 106 億ドル、今後も増加傾向
  • GNSとエナジーソリューションズがアジアの廃炉市場で提携
  • トルコで建設中のアックユ原発の廃止措置費用に関する検討作業が進行中
  • 気候変動に駆り立てられた原子力エンジニア、誤解に挑む
     

 

IAEAのグロッシ事務局長、イラク首相と平和的核開発計画について協議

IAEA(国際原子力機関)のラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長は、イラクのムハンマド・シア・アル・スダニ首相と会談し、原子炉建設計画を含むイラクの平和的核開発計画について話し合った。イラクの専門家がIAEA本部を訪れ、プログラムのロードマップを作成する予定であるとグロッシ事務局長は述べ、中東における原子力エネルギーへの関心の高まりを認めた。

(画像:X/@rafaelmgrossi)

 

シンガポールは原子力を検討しながら海外の専門知識を求める

シンガポールは、エネルギーセクターの脱炭素化とエネルギー安全保障の強化に原子力の利用を検討しており、関与を求めて米国、英国、ドイツなどの国にチームを派遣していると報じられている。 シンガポール・エネルギー市場庁の広報担当者は、「先進原子力と核融合技術の技術的複雑さと進行中の開発を考慮して、シンガポールはこの種の技術を人口密度の高いで小国に導入する場合の安全性への影響をより深く理解するための能力を構築しているところである」と述べた。

現在、シンガポールのエネルギーの約 95 %は天然ガスを焚いて生成されている。写真: STRAITS TIMES クア・チー・シオン

 

引用:ネクスジェンのカリアCEO、ウラン・プロジェクトの可能性を語る

ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)のポッドキャスト・インタビューで、ネクスジェン・エナジー社のリー・カリアCEO兼社長が、カナダで世界をリードするプロジェクトが進むべき道を示し、ウランセクターの展望を語った。

ルックI鉱山(画像:ネクスジェン)

 

ライトブリッジ燃料製造のマイルストーンとなる押出成型デモ

アイダホ国立研究所(INL)で行われた劣化ウランとジルコニウムの合金サンプルの押出成型は、ライトブリッジ社の先進核燃料技術を認定するための重要なステップである。同社が公開したビデオに示されているように、押し出しプロセスでは、金属合金ビレットを金型に通してプレスする。INLとライトブリッジは、押し出されたロッドを分析して押し出しプロセスのパラメーターを確認する。最終的には、濃縮度5%超低濃縮ウラン(HALEU)を使用して、ライトブリッジ燃料の製造に使用される燃料サンプルを将来製造することになる。

押し出し後のウラン-ジルコニウムロッド(画像:INL)

 

 

使用済燃料のオンサイト貯蔵コストは 106 億ドル、今後も増加傾向

使用済燃料廃棄物をオンサイト貯蔵するには莫大な費用がかかるにもかかわらず、米国は廃棄物を発生場所に放置するという事実上の解決策を選択した、とエネルギーコンサルタントのマシュー・ウォルド氏は書いている。連邦政府は電力会社に「(処分場)がなければ」というベースで支払っており、請求額は106億ドル(1兆6000億円)を超えているが、政府説明責任局(GAO、旧会計検査院)は、集中保管施設が15年以内に建設された場合の請求額は最大516億ドル(7兆7000億円)と見積もっている。

2005年に廃炉となったメイン・ヤンキー原子力発電所サイト。姉妹原発のヤンキー・ロウ原発やコネティカット・ヤンキー原発と同様に、サイト内に残っているのは使用済燃料キャスク貯蔵施設(ISFSI)のみ。全米規模の廃棄物管理ソリューションができない限り、使用済燃料はこのようなサイトに放置され続ける。(写真:メイン・ヤンキー原子力発電所)

 

米連邦議会上院法案、使用済燃料貯蔵に州政府の承認を求める要求を削除

米国連邦議会上院の歳出法案には、ホルテック・インターナショナルによるニューメキシコ州での使用済核燃料の中間貯蔵プロジェクトを阻止するような文言はもはや含まれていない。 このプロジェクトの反対派は、施設の立地に州の同意を必要とするような文言を含めるよう求め、そのようなプロジェクトに対する連邦政府の資金提供を阻止するようロビー活動を行っていた。

統合中間貯蔵構想にたびたび反対し、上院歳出委員会の委員を務めるマーティン・ハインリッヒ上院議員(民主党、ニューメキシコ州)2019/4/23、廃棄物隔離パイロットプラントの開設20周年を記念する夕食会にて(画像:カールスバッド・カレント-アーガス)

 

GNSとエナジーソリューションズがアジアの廃炉市場で提携

米国のエナジーソリューションズ社とドイツのGNS原子力サービス会社(Gesellschaft für Nuklear-Service mbH)は、将来のアジアの原子力発電所の解体に伴う大型コンポーネントの輸送と処分に関する覚書を締結した。協力の目的は、アジアで廃止された原子力発電所からの大型コンポーネントを、エナジーソリューションズ社が米国で処分することである。ドイツの放射性廃棄物専門業者であるGNSは、コンポーネントの梱包と認定における世界的な独自のノウハウを活用して輸送を実現させる。

左から右へ:エナジーソリューションズのケン・ロバック社長兼CEO、コリン・オースティン国際事業担当上席副社長、GNSのダニエル・エーアCEO、リヌス・ベターマン営業・マーケティング部長(画像:GNS)

 

トルコで建設中のアックユ原発の廃止措置費用に関する検討作業が進行中

ロシアのTVEL社は、トルコのアックユ原子力発電所で建設中の4基の「廃止措置に向けたコスト計画を策定する」契約を締結した。これらの原子力発電所は設計耐用年数が少なくとも60年と見込まれている。ロスアトムの一部であるTVELのナタリア・ニキペロワ社長は、この契約は「ロスアトムとトルコ共和国の間の協力の枠組みの中で、アックユ原子力発電所の建設に関する政府間協定に基づく原子力発電所の廃止措置と廃棄物管理に関する義務を果たすことを目的として締結された」と述べた。

(画像:ロスアトム)

 

気候変動に駆り立てられた原子力エンジニア、誤解に挑む

カナダ・オンタリオ州の原子力エンジニア、ベンジャミン・ランド氏(24)は、高校時代から気候変動問題に熱心であり、カナダのネットゼロ目標を達成するためには原子力が不可欠だと考えている。原子力は不当に悪く評価されている、とランド氏は書いている。「オンタリオ州で50年以上にわたって運転されてきたCANDUの使用済核燃料は、1メートルの高さに積み重ねたホッケーリンク9面分で収まる。もし使用済燃料が問題なら、風力や太陽光を含むあらゆるエネルギー源も同じ基準では受け入れがたいことになる」とランド氏は書いている。

オンタリオ州キンカーディンにあるブルース・パワー原子力発電所の上空からの眺め

J.P. モツルスキー/カナディアン・プレス・ファイル写真