• ロイター:ザポリージャ原子力発電所、ウクライナ軍による砲撃を報告
  • ロシア・レニングラード7号に初のコンクリート打設
  • オクロとアルゴンヌ、2度目のTHETAテストキャンペーンを完了
  • SMR規制に関する大西洋を越えた協力が拡大
  • 玲龍一号の完成で、中国はさらに原子力発電所を建設へ
  • IAEA規則は原子力船にも適用可能な見通し
  • 米国原子力学会長: 政策が原子力を堅実な道へ
  • ポーランド大統領がボーグル原発を訪問、原子炉の安全性を称賛
  • Urエナジー、ワイオミング州の第 2 プロジェクトを「増強」へ
  • ドイツが核融合発電所の建設を目指す
  • 米国法が処分場を命じてから42年、いまだ米国に処分場なし
     

ロイター:ザポリージャ原子力発電所、ウクライナ軍による砲撃を報告

欧州最大のザポリージャ原子力発電所(ZNPP)のロシア側運転管理組織は3/14、ウクライナ軍が同発電所の重要インフラ施設を砲撃したと発表した。プラント側の報告によると、ディーゼル燃料タンクが設置されているフェンス付近に爆発物が投下され、「このような攻撃は容認できない」と言う。攻撃がいつ行われたのかはすぐには明らかになっていない。 ロイターは直ちには、双方からの戦場報告をできていない。IAEAラファエル・グロッシ事務局長は、同発電所への攻撃の危険性について繰り返し警告してきた。2年以上戦争状態にあるロシアとウクライナは、過去の砲撃で電力系統を損傷させ、発電所が危険にさらされたことを互いに非難してきた。

2023/6/16、ノヴァ・カホフカ・ダム決壊後、ニコポリ近くのカホフカ貯水池の岸から見たザポリージャ原子力発電所。ロイター/Alina Smutko/ファイル写真

関連報道:

https://www.chinadaily.com.cn/a/202403/14/WS65f2d4c2a31082fc043bcb04.html 

https://www.agenzianova.com/en/news/The-Ukrainian-army-attacks-critical-infrastructure-of-the-Zaporizhzhia-power-plant/ 

https://dunyanews.tv/en/World/798128-Zaporizhzhia-nuclear-plant-reports-shelling-by-Ukraine-army 

ロシアメディア(多数):

https://tass.ru/proisshestviya/20228191 

砲撃痕? (ザポロジェ原子力発電所のプレスサービス)

https://t.me/znppofficial/932 

https://tass.ru/ekonomika/20228767 

https://tass.ru/obschestvo/20230863 

https://tass.ru/ekonomika/20231261 

https://ria.ru/20240314/obstrel-1932868678.html 

https://www.interfax.ru/russia/950338 

 

ロシア・レニングラード7号に初のコンクリート打設

新しいVVER-1200ユニット建設に向け、2,100平方メートルの基礎スラブのコンクリート打設が始まり、出席者らは、レニングラード原子力発電所の容量の追加は、ロシアが2045年までに原子力のエネルギーシェアを25%達成するのに役立つだろうと語った。レニングラード原子力発電所はロシア最大級の原子力発電所で、設備容量は電気出力440万kWで、サンクトペテルブルクとレニングラード地域の電力需要の55%以上、またはロシア北西部の全電力の30%を供給している。

(画像:ロスエネルゴアトム)

 

オクロとアルゴンヌ、2度目のTHETAテストキャンペーンを完了

カリフォルニア州に本拠を置く液体金属高速炉開発会社オクロ社は、アルゴンヌ国立研究所(ANL)と共同で、熱水力実験試験体(THETA)試験キャンペーンの第2段階を成功裏に完了した。THETAは、ANLの機構工学試験ループ(METL)施設内に設置された450リットルのプール型ナトリウム容器であり、液体ナトリウムプールに浸漬された一次系と、プールの外部に設置された二次系から構成され、ナトリウム冷却高速炉の主要機器をすべて備えている。一次系は、ポンプ、電気加熱炉、中間熱交換器、接続配管および熱遮蔽から構成され、二次系は、ポンプ、ナトリウム-空気熱交換器、接続配管およびバルブから構成される。光ファイバー温度センサーは、特定の流れ場全体で何千もの温度測定点を提供し、リアルタイムの即時フィードバックで試験を遂行することを可能にする。

THETA(画像:DOE)

 

SMR規制に関する大西洋を越えた協力が拡大

英国、カナダ、米国の原子力規制当局の間で、新型炉および小型モジュール炉技術の技術的検討に協力するための三国間協力覚書(MoC)が締結された。パートナー各機関は、MoCは、新技術が国際展開を促進する標準化に向けて進む中、ベストプラクティスと規制経験を共有するというコミットメントを強調するものであると述べた。この協定は、各国の規制要件を満たすための共通の技術的安全問題を検討するための共有アプローチの開発を支援するものと期待される。各機関はまた、申請前活動、研究、訓練、新たな技術的問題についても協力する。

カナダ原子力安全委員会(CNSC)、英国原子力規制局(ONR)および米国NRC(原子力規制委員会)間のMoCは、3/12に米国メリーランド州で開催されたNRCの年次規制情報会議(RIC)において署名された。(画像:CNSC)

 

玲龍一号の完成で、中国はさらに原子力発電所を建設へ

世界初の商業用小型モジュール炉であり、中国の原子力発電能力拡大のごく一部である玲龍一号(ACP100)の建設がほぼ終了した。中国は毎年最大10基の原子炉を増設する計画で、2060年までに4億キロワットまで容量を増やすことを目指している。

2023年8月、海南省昌江原子力発電所で、世界初の商業用SMRである「玲龍一号」の炉心モジュールを据え付ける(写真:Zhang Liyun/chinadaily.com.cn)

 

IAEA規則は原子力船にも適用可能な見通し

海運向けの原子力推進に関する規制の枠組みがないことが、この分野への投資を妨げているが、IAEA(国際原子力機関)の規則を原子力船に適用した分析によれば、原子力船の開発は十分可能という。コア・パワー社の規制開発担当ディレクター、スコット・エドワーズは、今後18ヶ月の間に、既存の規則を海洋環境で使用できることをIAEAが確認することを期待している。

コネチカット海事協会(CMA)Shipping 2024会合での原子力推進に関するパネル討論(画像:CMA)

 

米国原子力学会長: 政策が原子力を堅実な道へ

米国政府は近年、原子力を支援する法律を制定し、原子炉の早期閉鎖を防止し、濃縮度5%超低濃縮ウラン(HALEU)の国内生産を支援している。「これらの政策の直接的な結果として、現在の既設原子炉の状態はかなり良くなっている。今、新世代の先進的な原子炉の配備に注目が集まっている」と、米国原子力学会(ANS)のケン・ピーターセン会長は書いている。「これはもっと大きな挑戦になるだろうが、私たちが一丸となってそれに立ち向かうことができると確信している。

ANSピーターセン会長(画像:ANS)

 

ポーランド大統領がボーグル原発を訪問、原子炉の安全性を称賛

ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、ジョージア州のボーグル発電所を訪問した際、ウェスティングハウス・エレクトリック社の加圧水型原子炉AP1000の安全性を評価し、故障を防止するために設計された多層システムについて言及した。ポーランド原子力発電会社(PEJ)社は、3基のAP1000を備えたポーランド初の原子力発電所を建設を計画しており、最初の原発は2033年に稼働する予定だ。

アンジェイ・ドゥダ大統領(画像:在日ポーランド大使館)

 

Urエナジー、ワイオミング州の第 2 プロジェクトを「増強」へ

Urエナジー社 は、ワイオミング州カーボン郡で完全な許認可を得たシャーリー・ベイスン・プロジェクトを「建設」する決定を発表した。 同社は最近、再開されたロストクリークプロジェクトから初めてウランを出荷した。シャーリー・ベイスン鉱山の拡張工事は、ウラン販売契約の増加、堅調なウラン市場価格、ウラン需要の増加予想に基づいて決定されたと、同社は述べた。シャーリー・ベイスンの建設により、同社は年間イエローケーキ(U3O8)生産能力を220万ポンド(846 tU)に「ほぼ倍増」させ、同時に供給の多様化を図ることができる、とジョン・キャッシュCEO兼会長は述べた。

イエローケーキ(画像:US NRC/エナジー・フュエルズ)

 

ドイツが核融合発電所の建設を目指す

ドイツのベッティーナ・シュタルク・ヴァツィンガー連邦研究大臣は、2040年までにドイツに初の核融合発電所を建設する道筋をつけることを目的とした、核融合研究への新たな資金提供プログラムを発表した。連邦教育研究省 (BMBF) は、ガルヒンとグライフスヴァルトにあるマックスプランク・プラズマ物理研究所 (IPP)、カールスルーエ工科大学 (KIT)、およびユーリッヒ研究センター (FZJ) での核融合研究を長年支援してきた。「この制度的資金は、新しいプロジェクト資金プログラムによる第二の柱によって補完される」と同省は述べた。「プロジェクト資金の目的は、第一段階で、2030年代初頭までに核融合発電所に必要な技術、部品、材料を進歩させることである。第2段階では、発電所設計への統合が焦点となる。この資金援助プログラムは、技術に対してオープンであり、いわゆる磁気閉じ込めとレーザー核融合の両方の技術を扱っている。

新しい核融合研究助成プログラムを発表するシュタルク・ヴァツィンガー大臣(画像: BMBF)

 

米国法が処分場を命じてから42年、いまだ米国に処分場なし

ジェネレーション・アトミック社の政策アナリスト、ジェフ・リューズ氏は、放射性廃棄物政策法が成立して以来40年間、高レベル放射性廃棄物や使用済核燃料を処分するための処分場建設は、政治的麻痺状態によって阻まれてきた、と書いている。その結果、納税者は使用済核燃料を発電所に保管するために毎日200万ドルを費やしている。一方、11の州は原子力発電の追加をモラトリアム(一時停止)しており、環境に悪影響を与えている、とリュースは書いている。

2019/3/26、ペンシルベニア州ミドルタウンで、エクセロン・ジェネレーション社が運転するスリー・マイル・アイランド原子力発電所から立ち上る蒸気。

アンドリュー・キャバレロ・レイノルズ / AFP/getty images