• 英国政府、ウィルファとオールドベリーの原子力サイトを日立から買収
  • 米議会、原子力に16億8,500万ドル、HALEUに27億2,000万ドルの法案を審議中
  • ホルテックと現代建設、英国企業と提携、英国のSMR入札を推進
  • ディアブロ・キャニオンへの懸念表明のため、団体がNRCの公聴会を求める
  • オラノ、ČEZとウラン濃縮サービス契約を締結
  • SKB、フォルスマルク地質学棟の建設を開始
  • IAEAと北米放射線学会が貧困国のがん治療改善で提携
  • DOE資金でクレムソン大主導のコンソーシアムがアウトリーチを目指す
  • NEDHOパネル、より多様な原子力産業を目指す
  • 米陸軍工兵隊がミズーリ州の住宅地下の核汚染を調査
     

英国政府、ウィルファとオールドベリーの原子力サイトを日立から買収

英国ジェレミー・ハント財務大臣は、ウェールズ北部のウィルファとイングランド南西部のオールドベリー・オン・セヴァーンにある日立所有の新規原子力用地を1億6,000万ポンド(300億円)で購入することで合意に達したと発表した。英国が原子力容量の拡大を目指す中、この2サイトは新規原子力の建設に優先的に使用されると予想される。ハント大臣は議会で年次予算演説を行い、「原子力計画の成功には原子力施設の確保が重要であることを考慮して」購入が決定されたと述べた。

日立は2020年にウィルファの原子力プロジェクト計画から撤退した(画像:ホライズン・ニュークリア・パワー)

 

米議会、原子力に16億8,500万ドル、HALEUに27億2,000万ドルの法案を審議中

連邦議会は、2024会計年度に原子力に16億8,500万ドル(2023会計年度比2億1,200万ドル増)を充てる法案を検討しており、さらに27億2,000万ドルを濃縮度5%超低濃縮ウラン(HALEU)に充てる。この法案は、「核燃料サプライチェーンを確保し、ロシアのウラン輸入への依存をやめ、原子力における米国のリーダーシップを回復するためには極めて重要だ」と、米国原子力学会(ANS)のクレイグ・ピアシーCEOは言う。

米国連邦議会議事堂(画像:ANS)

 

ホルテックと現代建設、英国企業と提携、英国のSMR入札を推進

韓国の現代建設、米国のホルテック・インターナショナル、英国の建設会社バルフォア・ビーティとエンジニアリング会社モットマクドナルドは、英国で小型モジュール型原子炉を建設するホルテックの入札に協力することで合意した。現代建設とホルテック(チーム・ホルテックと呼ばれる)は、バルフォア・ビーティおよびモットマクドナルドと共同で英国のSMR技術コンペティションに参加する契約を締結した。

契約への署名式(画像:現代建設)

 

ディアブロ・キャニオンへの懸念表明のため、団体がNRCの公聴会を求める

米国の環境団体、環境ワーキンググループ(EWG)、地球の友(FoE)及びマザーズ・フォー・ピースが、NRC(原子力規制委員会)に対し、カリフォルニア州ディアブロ・キャニオン発電所に関する安全上の懸念や、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)社が原子力発電所の運転を継続するための適切な環境許可を取得していないという主張を検討する公聴会の開催を要請した。各団体は「地震による重大事故の許容できないリスクのため」ディアブロ・キャニオンの即時閉鎖を求めている。

ディアブロ・キャニオン原発(画像:FoE)

 

オラノ、ČEZとウラン濃縮サービス契約を締結

フランスのエマニュエル・マクロン大統領のチェコ訪問中に署名された契約では、オラノはウラン濃縮役務を提供し、これはČEZ(チェズ)のドコバニ原子力発電所で使用されることになる。これは、テメリン原子力発電所向けに2023年末にオラノと締結された長期ウラン濃縮契約に続くものである。

(画像:オラノ)

 

SKB、フォルスマルク地質学棟の建設を開始

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、フォルスマルク半島の調査とサイト・モニタリングからのデータの収集と評価のセンターとなる新しい地質学棟の着工を発表した。SKBは、新しい地質学棟は「フォルスマルクで今後行われる大規模な建設プロジェクトにとって非常に重要になる」と述べた。SKBの事業所のいくつかは現在、エストハンマル市のフォルスマルク半島に位置しており、その中には低・中レベル廃棄物の最終処分場であるSFRも含まれており、その容量は拡張される予定である。スウェーデンの原子力発電所からの使用済核燃料の最終処分場もここに建設される予定だ。

起工式の様子(画像:ヴァイデッケ社)

 

IAEAと北米放射線学会が貧困国のがん治療改善で提携

IAEA(国際原子力機関 )と北米放射線学会(RSNA)は、世界中の医療画像処理・診断のサービスが十分提供されていない地域での、診断および医療画像処理能力を強化するための戦略的パートナーシップを確立した。IAEAのナジャット・モクタール事務次長兼原子力科学・応用局長とRSNAマーク・G・ワトソン事務局長が署名したこの実務協定(Practical Arrangements)に基づき、IAEAはRSNAのネットワークとリソースを活用して、特に、“Rays of Hope”イニシアティブを通じて高品質な放射線医学サービスへの公平なアクセスを促進することになる。IAEAの専門家らは、10年間で世界中の医療画像へのアクセスが増えれば、11種類のがんによる246万人の死亡を回避でき、それによって合計5,492万年の生存年が救われると予測している、とRSNAは指摘した。

IAEAは、RSNAと新たな実務協定に署名した(画像:RSNA)

RSNAプレス:

https://www.rsna.org/news/2024/march/iaea-rsna-partnership 

 

DOE資金でクレムソン大主導のコンソーシアムがアウトリーチを目指す

クレムソン大学は、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、およびジョージア州の団体に、原子力と廃棄物について地域社会のエンゲージメントを進めるための資金を提供するコンソーシアムを主導している。DOE(エネルギー省)からの200万ドルの助成金は、レクチャーシリーズやファーマーズマーケットでの展示など、地域社会への働きかけやエンゲージメント、計画、活動の実施を対象としている。

オコニー原子力発電所の原子力ディスカッション・コラボラティブ(写真:UpstateToday.com)

 

NEDHOパネル、より多様な原子力産業を目指す

NEDHO(Nuclear Engineering Department Heads Organization、原子力工学科長機関)は、原子力理工学系に進む人々の多様性を高めるため、2022年から大学でパネルを開催している。パネルディスカッションでは、原子力産業における多様性の欠如に対処するための戦略や、逆境を乗り越えた個人の体験談が紹介される。

NEDHOダイバーシティ・パネルには、左からミシガン大学のジョン・フォスター教授、当時Xエナジーの副社長だったジェフリー・ハーパー氏、NEA事務局長のウィリアム・D・マグウッド氏、ミシガン大学の博士課程に在籍するロンドレア・ギャレット氏が参加した。(写真:Aditi Verma/ミシガン大学)

 

米陸軍工兵隊がミズーリ州の住宅地下の核汚染を調査

陸軍工兵隊は、ミズーリ州のコールドウォーター・クリークの近くにある6軒の家屋の地下の土壌を調査し、冷戦時代の核汚染の上にある家屋かどうかを判断する。この決定は、これらの住宅の裏庭で汚染が見つかったが、前庭では見つからなかったことによる。暫定的な結果は今週末までに出るかもしれない。

2023/4/7、ミズーリ州フロリサントを流れるコールドウォーター・クリーク(AP Photo/Jeff Roberson, File)