• NRC、9月までに先進原子炉規制規則を提案するようスタッフに指示
  • タレン、カーボンフリーのデータセンターをアマゾンのクラウド企業に売却
  • ビストラ、34億3,000万ドルでエナジー・ハーバーの買収を完了
  • ニュークレオ原子炉は石油、ガスの脱炭素化に注目
  • 中仏コンソーシアムがITER真空容器の組み立てを受注
  • ビル・ゲイツ氏が支援する新興企業が核融合の壁を破る
  • AFCONEとディープジオがアフリカ原子力イニシアティブを開始
     

NRC、9月までに先進原子炉規制規則を提案するようスタッフに指示

米国NRC(原子力規制委員会)スタッフは、先進原子力に関するリスク情報および技術包括的な許認可の枠組みであるパート53(10CFR53)を確立するための規則を提案し、ガイダンス草案を発行するよう指示を受けた。連邦規則集第10章(10CFR)に基づく規則案は9月までに提出され、最終規則はその12~18ヵ月後に確定される見込みである。

 

タレン、カーボンフリーのデータセンターをアマゾンのクラウド企業に売却

タレン・エナジー・コーポレーションは、ペンシルベニア州北東部にある96万kWのキュムラス・データセンター・キャンパスをアマゾン・ウェブ・サービスに売却し、タレンのサスケハナ原子力発電所から電力を供給する長期契約を結んだと発表した。キュムラス・キャンパスは原子炉2基を擁する原子力発電所に直結している。

サスケハナ原発(画像:タレン)

関連報道:

https://www.datacenterdynamics.com/en/news/aws-acquires-talens-nuclear-data-center-campus-in-pennsylvania/ 

 

ビストラ、34億3,000万ドルでエナジー・ハーバーの買収を完了

ビストラによるエナジー・ハーバーの34億3,000万ドル(5,060億円)の買収は完了し、ペンシルベニア州のビーバーバレー、テキサス州のコマンチ・ピーク、オハイオ州のデービス・ベッセおよびペリーの4原子力発電所が1つの会社の下に置かれることになった。この買収により、ビストラは 400万キロワットの統合ゼロカーボン発電を実現する。

2021年、ビストラ社コマンチ・ピーク原発でのNRCスタッフ(写真:NRC)

関連報道:

https://www.ans.org/news/article-5845/vistra-energy-harbor-deal-finally-closes/ 

 

ニュークレオ原子炉は石油、ガスの脱炭素化に注目

ニュークレオ社とビアロ・エナジー社は、原子力技術を利用して後者の石油・ガスインフラストラクチャを脱炭素化に向け提携した。 この提携には、ニュークレオの20万キロワット鉛冷却高速炉のフィージビリティ調査と、同原子炉のバリオサイトへの配備が含まれる。

(画像:ビアロ・エナジー)

関連報道:

https://www.environmentenergyleader.com/2024/03/newcleo-viaro-energy-look-to-nuclear-technology-for-oil-and-gas-decarbonization/ 

 

ITER真空容器の組み立てを受注

中国核工業集団公司(CNNC)の子会社である中国核電工程公司(CNPE)が主導し、フラマトムを含む中仏TAC-1コンソーシアムは、フランス南部カダラッシュで建設中の国際熱核融合実験炉(ITER)の真空容器モジュール組立を受注した。ITERのプラズマチャンバー(真空容器)内部では核融合反応が起こり、容器が第一の安全閉じ込め障壁として機能する。内部容積は1,400㎥で、高さ14m以上、重さ440tの9つのくさび形鋼で形成される。ITER真空容器は組み立てられると、外径19.4m、高さ11.4m、重量約5200tになる。これにブランケットやダイバータなどの容器内部品を取り付けると、真空容器の重量は8,500tになる。

TAC-1コンソーシアム企業の代表者(画像:CNNC)

 

ビル・ゲイツ氏が支援する新興企業が核融合の壁を破る

ビル・ゲイツのブレイクスルー・エナジー、ジェフ・ベゾス、リチャード・ブランソンなどの投資家が支援する核融合エネルギーの新興企業コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)と協力して2021年のプロジェクトに関する6本の査読付き論文を発表した。CFSの技術は、磁気強度の新記録(20テスラ)-を樹立したと伝えられている。このマグネットの大きさと強さは、「一晩で......1日で、基本的に、核融合炉のワットあたりのコストは、ほぼ40分の1になった」とMITのデニス・ホワイティは言う。

MITのマグネット(写真:MIT/CFS)

 

AFCONEとディープジオがアフリカ原子力イニシアティブを開始

アフリカ原子力委員会(AFCONE)とディープジオ社は、多国間の深地層処分場をアフリカに設置し、その収益の一部を原子力の導入促進に充てるというパートナーシップ協定に調印した。「アフリカ原子力資金調達イニシアティブ(ANEFI)」の合意により、ディープジオはアフリカの金融機関に紹介され、アフリカの意思決定者へのアクセスが強化される。一方、AFCONEは、「(深地層処分場から得られる)将来の収益の一部から恩恵を受け、原子力の配備と大陸全体での共有燃料サイクル施設の利用を促進する地域原子力ガバナンステンプレートの確立に向けた作業を直ちに開始する」。

ディープジオのマレー社長(左)とAFCONEのアグボロー委員長、アフリカ・エネルギー・インダバ会議にて(Image: AFCONE/DeepGeo)