• 海外報道:女川2号再稼働は9月の見通し
  • ロイター報道:インド、260億ドルの民間原子力発電投資を求める
  • 米FERC、ビストラ社によるエナジーハーバー社の34億3000万ドルでの買収を承認
  • ロスアトム:高温ガス炉燃料の原子炉照射試験で機能を確認
  • GLEの レーザー濃縮が 2024 年の実証に向けて進捗を加速
  • ITER、6月に新たなスケジュール案を提出予定
  • 解説:ORNL 、長年の医療用ラジオアイソトープへの取り組み
  • 米陸軍工兵隊、ニューヨーク州の廃棄物処分場にキャップの設置を準備
     

海外報道:女川2号再稼働は9月の見通し

日本の東北電力は現在、宮城県北東部にある女川原子力発電所2号機を9月に送電網に再接続する予定である。同電力会社は1月、追加の安全工事により、当初計画されていた5月の再稼働が遅れたと発表していた。

東北電力女川原子力発電所(画像:クリハラント)

東北電力プレス(以下に抜粋):

https://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/1239390_2549.html 

今般、「火災防護対策工事」に必要となる資機材や作業員の確保、現場における作業性も含めた精査が完了し、安全対策工事完了時期を「2024年6月」に⾒直すこととした。また、これに伴い、再稼働時期は「2024年9月頃」、営業運転開始は「2024年10月頃」と想定している。

 

ロイター報道:インド、260億ドルの民間原子力発電投資を求める

インド政府関係筋2人がロイターに語ったところによると、インドは二酸化炭素を排出しない電源からの電力量を増やすため、民間企業に原子力分野への約260億ドルの投資を呼びかける予定だという。インド政府が原子力発電への民間投資を追求するのはこれが初めて。原子力はインドの総発電量の2%未満に寄与する炭素を排出しないエネルギー源である。 この資金は、インドが2030年までに発電設備容量の50%を非化石燃料で使用するという目標を達成するのに資するもので、現在の42%から増加することになる。

2012/9/13、インドのクダンクラム原子力発電所近くの海岸を歩く警察官。ロイター/アドナン・アビディ/ファイル写真

 

米FERC、ビストラによるエナジーハーバーの34億3000万ドルでの買収を承認

米ビストラ社は、連邦エネルギー規制委員会(FERC)からエナジーハーバー社を34億3,000万ドルで買収する承認を得ており、同社の原子力資産と小売資産が新部門ビストラ・ビジョンに統合され、大規模なクリーンエネルギー事業が誕生する。この契約には、ビストラのポートフォリオにオハイオ州のデービス・ベッセ原子力発電所とペリー原子力発電所、そしてペンシルベニア州のビーバーバレー原子力発電所の3つの原子力発電所を追加することが含まれている。

(画像:Zelosos por Buenas Renovables(メキシコ))

 

ロスアトム:高温ガス炉燃料の原子炉照射試験で機能を確認

ロシア原子力公社ロスアトムは、2022年に研究炉2か所で燃料サンプルの照射試験を開始し、高温ガス炉(HTGR)用の「燃料設計の機能を基本的に確認した」と報告した。同社は進捗報告書で、「2023年末までに、IVV-2M原子炉に、ロシア無機材料研究所(VNIINM、燃料会社TVELの一部)が開発・製造したマイクロ燃料要素の実験室サンプルの1バッチが導入される、また、JSC NII NPO Luch (ロスアトムの科学部門の一部) が開発、製造した燃料コンパクトが 11~12%FIMAの燃焼度を達成。これは、高温ガス炉燃料の設計燃焼値に実質的に相当する。」と述べた。 試験中、高温ガス炉燃料の温度は1000~1200℃ に維持された。同報告書は、「蓄積された実験データの全体(原子炉実験全体を通してオンラインで得られたデータを含む)に基づき、ロスアトムの専門家らは、開発された高温ガス炉燃料設計(三重等方性(TRISO)被覆燃料粒子)の機能を基本的に確認した」と述べた。さらに、「2024年から2025年の作業計画では、ロスアトム科学部門の実験サイトで、高温ガス炉燃料の照射済みサンプルの照射後試験と、限界モード、緊急運転モードでの原子炉実験を組み合わせて実施することが計画である」と付け加えた。

(画像:ロスアトム)

 

GLEの レーザー濃縮が 2024 年の実証に向けて進捗を加速

合弁企業グローバル・レーザー・エンリッチメント (GLE)の所有者らは、2024年中の米国のパイロット施設「テストループ」での SILEX レーザー濃縮技術実証に向けて加速するため、2024暦年のプロジェクト支出を 倍増することに合意した。GLEの51%を所有するオーストラリア企業サイレックス・システムズ社と49%所有するカナダ企業カメコ社は、2024暦年で最大5,450万ドルまでの支出増加を含む計画を承認したとサイレックス社が発表した。これにより、GLEが2024年に完遂する計画の技術実証プロジェクトを加速することに加え、ケンタッキー州パデューカでの用地買収活動を含む他の主要な商業化活動を進めることが可能となり、計画中のパデューカレーザー濃縮施設(PLEF)は、「早ければ2028年には」営業運転が開始できると述べた。

振り返り:パデューカ・サイトには、2013年に商業運転を停止したガス拡散濃縮プラントがあった(画像:米DOE)

 

 

ITER、6月に新たなスケジュール案を提出予定

国際熱核融合実験炉(ITER)の改良されたプロジェクト計画は、その構成の変更、段階的な設置、新たな研究スケジュールを伴い、6月のITER理事会への提出に先立って最終決定されつつある。この南フランスに建設中の多国籍核融合プロジェクトでは、2025年にファーストプラズマを生成するという2016年時点での計画に代わる、包括的な「現実的」工程表の策定に取り組んでいる。新型コロナウイルス感染症パンデミック、真空容器セクターの溶接接合部の問題、サーマルシールド配管の腐食による亀裂の発生により、大幅な遅延が避けられなくなった。

トカマク複合施設は地下階も含めて高さ80m。180ヘクタールのサイトの中心にある(画像:ITER)

 

解説:ORNL 、長年の医療用ラジオアイソトープへの取り組み

オークリッジ国立研究所(ORNL)は、1946年にセントルイスの病院に1ミリキュリーの炭素14を提供して以来、医療用アイソトープを供給し続けている。ORNL は、主にがんの診断と治療を目的とした医療用途向けにいくつかのラジオアイソトープを製造しており、同研究所は、 標的アルファ療法用アイソトープで、がん治療に革命をもたらすよう取り組んでいる。

ORNLラジオアイソトープ製造コーディネーターのジリーン・セノン・グリーン氏は、アクチニウム225の出荷用バイアルを線量校正器内に置き、その放射能レベルが顧客仕様の範囲内であることを確認する (写真:カルロス・ジョーンズ/ORNL、DOE)

 

米陸軍工兵隊、ニューヨーク州の廃棄物処分場にキャップの設置を準備

米国陸軍工兵隊(USACE)は、放射性物質への被ばくを最小限に抑えるために、ニューヨーク州シーウェイ・サイトに23エーカー(93,000㎡)の不浸透性キャップを設置する準備を進めている。 工事には大気監視、アクセス道路の整地、砂防が含まれ、キャップの建設は4月に始まり2025年春に完了する。

2021/4/27、トナワンダの旧利用地改善活動プログラムでシーウェイ・サイトを調査する米陸軍工兵隊バッファロー地区チームメンバー 写真:米陸軍USACE バッファロー地区