• インド・クダンクラム4号に原子炉圧力容器を据付
  • ポーランドのSMRプラントの環境許可が進展
  • オクロ、オハイオ州、アイダホ州での進捗状況を報告
  • 5社がブルガリア・コズロドイの原子力発電所新設に関心を表明
  • 韓国HD現代、洋上原発向け溶融塩炉で3社と提携
  • カナダ・オンタリオ州、原子力プロジェクトを許可するようグリーンボンドを改正
  • コネチカット州議員が原子力推進に転身。 3基目原子炉を模索へ
  • ホルテック、DOE融資を待ちつつパリセーズ再開に向け準備
  • 医療用アイソトープ製造の「秩序だったカオス」
     

インド・クダンクラム4号に原子炉圧力容器を据付

ロスアトム社は、クダンクラム4号機の原子炉容器がインドのタミル・ナドゥ州の建設サイトの設計位置に吊り込まれたと発表した。同社は、据付工事はクダンクラム3号機で最初に使用された「オープントップ」方式を採用して1/24に実施されたと述べた。これは、原子炉ドームが開放された状態でコンポーネントを据え付けるもので、据付にかかる時間を大幅に短縮できる。据付工事当日、機器は垂直位置に移動され、クレーンで高さ50mまで吊り上げられ、原子炉建屋の原子炉立坑内に降ろされた。ロスアトムによると、重量317tを超えるこの圧力容器は、インドと中国で建設中のプラント向けに原子炉容器2基と蒸気発生器8基を「前例のない複雑かつ大規模な」同時出荷の一環として、2023年にロシアのボゴドンスクからクダンクラム建設サイトに輸送された。

クダンクラム4号の原子炉圧力容器が所定の位置に吊り込まれる(画像:ロスアトム)

 

ポーランドのSMRプラントの環境許可が進展

オーレン・シントス・グリーン・エナジー(OSGE)社がポーランド・マウォポルスカ地方のスタウィ・モノフスキエで計画している小型モジュール型原子炉(SMR)プロジェクトについて、同国環境保護総局(GDOŚ)がプロジェクトの環境レポートのスコープを発表したことを受け、環境および立地調査を開始できるようになった。 2023年4月中旬、OSGEは、ポーランドで独占的権利を保有するGE日立ニュークリア・エナジーのBWRX-300をベースにしたSMRプラントを設置するためのさらなる地質調査のために、ポーランド国内の7か所を最終候補者リストに挙げたと発表していた。 OSGEは4月下旬、ワルシャワをリストから除外した6カ所の発電所建設に関する原則決定を求める申請書を気候環境省に提出した。同省は12/7に6プラントに対する原則承認を出していた。

スタウィ・モノフスキエのSMR発電所予定地(画像:OSGE)

 

オクロ、オハイオ州、アイダホ州での進捗状況を報告

米オクロ社は、「オハイオ州南部の多様化イニシアチブ(SODI)」との間で署名した土地利用に関する合意文書に基づき、同社製オーロラ「パワーハウス」2基の導入を計画中のオハイオ州南部での土地購入の優先権とオプションを得ている。その一方、アイダホ州では、原子炉の配備を支援するために計画中の燃料施設の安全設計戦略(SDS)がDOE(エネルギー省)によって承認された。

オクロはパイクトン・サイトに第二、第三の発電プラントを建設することを構想(画像:オクロ)

 

5社がコズロドイの原子力発電所新設に関心を表明

ブルガリアのコズロドイ原子力発電所で提案されている2基の新しいユニットの建設への関心表明する期間を終了し、5社が申請書を提出した。コズロドイ・プラントのウェブサイトに掲載された発表文では、新設プロジェクト参画企業は2/2午後の締め切りを過ぎたことを受け、今後申請を検討すると述べた。 新設ユニットはウェスティングハウス AP1000型原子炉となる予定。

コズロドイはブルガリアの電力の約3分の1を供給している(画像:コズロドイ原子力発電所)

 

洋上原発向け溶融塩炉で4社が提携

韓国のHD現代重工社は、テラパワー社、サザン・カンパニー、コアパワー社と提携し、洋上原子力発電向け溶融塩炉を開発している。HD現代はIAEA(国際原子力機関)や大手の船級協会複数の支援を受けて洋上原子炉配備体制を構築する計画だ。

HD現代重工のロゴ

 

カナダ・オンタリオ州、原子力プロジェクトを許可するようグリーンボンドを改正

カナダ・オンタリオ州金融庁は、グリーンボンドの枠組を原子力エネルギープロジェクトを含むように改正し、進歩保守党政権の原発推進への転換を示した。この変更により、グリーンボンドは「電気および/または熱を生成するための原子力の導入」を伴うインフラストラクチャに使用できるようになる。

2020/1/12、ピカリング原子力発電所。オンタリオ州での電力需要の増大に直面して、オンタリオ・パワー・ジェネレーションは同原発の寿命を数十年延ばす計画を進めている。

フランク・ガン/カナダ・プレス

 

コネチカット州議会議員が原子力推進に転身。 3基目原子炉を模索へ

米国コネチカット州議会のジョナサン・スタインバーグ下院議員は、以前は原子力に懐疑的だったが、「下調べを始めて」「原子力が実行可能な選択肢であることを発見」して以来、熱心な支持者になったと言う。11月にサウスカロライナ州の発電所を訪問したスタインバーグ氏は、コネチカット州のミルストン発電所に3基目の原子炉を設置することを望んでおり、小型モジュール型原子炉を支持している。

ミルストン原子力発電所(画像:CTEcaminer)

 

ホルテック、DOE融資を待ちつつパリセーズ再開に向け準備

米バイデン政権とミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事は、パリセーズ原子力発電所の運転再開に向けて、ホルテック・インターナショナル社にそれぞれ15億ドルの融資と1億5000万ドルの投資を約束している。運転再開が承認されれば、600人の高賃金雇用が創出され、80万キロワットのエネルギーが生成される。DOE(エネルギー省)からの融資は2月中にも実施される可能性がある。

写真: パリセーズ原子力発電所 2024/1/31 (オータムピッチ/WWMT)。

 

医療用アイソトープ製造の「秩序だったカオス」

医療用ラジオアイソトープの生産は、高度に規制された複雑なプロセスであり、生産者は需要と供給のバランスをとる必要がある。 ほとんどの医療用ラジオアイソトープはスケジュールが厳しく、半減期が短いため、配送が困難だ。「30分以内にこのアイソトープをラボに持ち込み、化学抽出を行い、箱に詰め、すべての梱包とラベルを貼り、汚染検査を行い、すべての書類に記入し、 そして、裏口で待っている宅配業者に届けるのです」とナイオウェーブ社の研究開発スペシャリスト、アレックス・バッケン氏は言う、彼はこのプロセスを「秩序だったカオス」と呼んでいる。

ナイオウェーブ社が製造した Ac-225 のバイアルと同社の鉛製輸送ピグ (写真:ナイオウェーブ)