• バージニア州サリー郡、「新興技術」特区を認可
  • Xe-100型SMR がカナダの設計レビューのマイルストーンを完了
  • チェコ・テメリン原発、エネルギー使用量を「小さな町の消費量と同じくらい」減らす
  • ディアブロ・キャニオンの2030年までの運転継続に11億ドル配分を確定
  • ニュークレオ、MOX輸送についてNTSにコンサルティング
  • デンマークの大学が新たな原子力研究センターを設立へ
  • ハンフォード、廃棄物処理工場のトレーニングツールをアップグレード
     

バージニア州サリー郡、「新興技術」特区を認可

バージニア州サリー郡の監督委員会は、グリーン・エナジー・パートナーズ社がドミニオン・エナジーのサリー発電所に隣接する641エーカー(2.6㎢)の敷地に水素ハブとデータセンターの建設を可能とするための「新興技術」特区を認可した。 特区では、少なくとも 500エーカー(2.02㎢)の連続した土地が必要で、建物の高さは75フィート(22.86m)に制限される。グリーン・エナジーの計画には、4~6基の小型モジュール式原子炉を施設に電力供給することが含まれている。

データセンターと水素燃料ハブを組み合わせたレンダリング図(画像提供:グリーンエネルギーパートナーズ)

 

Xe-100型SMR がカナダの設計レビューのマイルストーンを完了

X-エナジー・リアクター社は、カナダ原子力安全委員会(CNSC)が同社の小型モジュール型原子炉(SMR)Xe-100の許認可に基本的な障壁はないとの結論に達したと発表した。CNSC による Xe-100 のベンダー設計レビュー (VDR) は、 VDR プロセスの初めの2段階を統合した形で2020 年に開始された。 VDR は、設計プロセス中に、設計がまだ進展している最中に実施され、早期のフィードバックを提供することで、潜在的な規制上または技術的な問題、特に設計に重大な変更をもたらす可能性のある問題を特定して解決できるようにする。Xe-100は、同社独自のTRISO-X三構造等方性粒子燃料を燃料とする電気出力8万kWの高温ガス炉で、「4パック」の32万kWの発電所に拡張できる。

Xe-100(画像:Xエナジー)

 

チェコ・テメリン原発、エネルギー使用量を「小さな町の消費量と同じくらい」減らす

チェコの原子力発電所運営会社ČEZは、気温、湿度、冷却水の温度などを含む新しいデータに基づく技術を導入し、最大の循環水ポンプの最適な設定を見出だし、テメリン原子力発電所の所内電力消費量を2023年に540万kWh削減したと述べた。同発電所のヤン・クルムル所長は、「我々は2021年に1号機で運転モードでのビッグデータの活用に取り組み始めた。2022年からは1/2号機ともこの手法をフルに活用している。その甲斐あって、500万 kWh 以上の電力を節約にこぎつけた。」循環水ポンプは、二次系での冷却塔と復水器を通る水の循環を確保し、新たな方法を使用して様々なデータ ポイントを使用して最適な設定を決定する。 ČEZ によると、運転員は天気予報に基づいて 1 日に 2 回設定を更新するという。

テメリン原発(画像:ČEZ)

 

ディアブロ・キャニオンの2030年までの運転継続に11億ドル配分を確定

米バイデン政権は、カリフォルニア州のディアブロ・キャニオン原子力発電所を少なくとも2030年まで稼働し続けるため、11億ドルの予算配分を最終決定した。この資金は、気候変動により送電網に負荷がかかる中、停電を防ぐ計画の一環であり、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)社がディアブロ・キャニオンの運転認可を20年間延長する作業に伴うものである。

ディアブロ・キャニオン原発の空撮(2010/6/20)。(ジョー・ジョンストン/AP経由ザ・トリビューン)

 

ニュークレオ、MOX輸送についてNTSにコンサルティング

英国に本社を置く革新的原子炉開発会社ニュークレオは、ニュークリア・トランスポート・ソリューションズ(NTS)に、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の輸送を含む核物質輸送上の要求事項の複数の分野でのフィージビリティ調査を実施するよう委託した。この作業では、NTS は核燃料輸送容器、核物質防護、輸送のルーティング及び資産オプションのソリューションを調査する。ニュークレオが提案する小型モジュール式鉛冷却高速炉はMOX燃料を使用する。 ニュークレオは、2030年にフランスで電気出力3万kWの鉛冷却高速中性子試験炉を計画しており、2032年には英国で20万kWの初の商用炉を計画している。2022年6月、ニュークレオはフランスのオラノ社とMOX製造プラントの設立に関するフィージビリティ調査を契約したと発表している。

ニュークレオの TL-30 原子炉設計の断面図 (画像: ニュークレオ)

 

デンマークの大学が新たな原子力研究センターを設立へ

デンマーク工科大学(DTU)は、原子力技術の研究を統合し強化する新しい学際的なセンターを設立する。過去 40 年間、デンマークにおける原子力研究は限られていたが、DTU は、原子核物理と原子力技術を扱う研究環境、専門知識を維持してきた。DTU物理学科ベント・ラウリッツェン上席研究員のリーダーシップの下、DTU原子力工学科と命名される新しいセンターが、 DTU物理学科、DTUエネルギー工学科、DTU化学科、およびDTU建設学科 の各部門の研究環境間の連携を強化する。DTU原子力工学科は、デンマークがこの分野で引き続き強力な能力を維持し、新しいタイプの原子炉の開発に取り組む国内外の企業と確かな協力ができると大学側は言う。

DTU 原子力工学科を率いるベント・ラウリッツェン氏 (画像: Magnus Møller - DTU)

 

ハンフォード、廃棄物処理工場のトレーニングツールをアップグレード

米ワシントン州ハンフォード・サイトにある廃棄物処理固定化プラント(WTP)では、従業員が現実の状況によく似たシナリオで訓練できるように、教室と訓練用具をアップグレードした。 アップグレードされた教室では、個人用保護具の着脱を練習するためのスペースを含むセットアップがなされており、新たな小道具により、弁のシステムの理解を深めるための実践的なトレーニングが可能である。

ハンフォードWTPの新たな放射線管理トレーニング教室内での訓練教官クリス・オリベロス氏 (写真:DOE)