• ロシアのレニングラード7/8号建設の主要段階への許認可発給
  • ウクライナ・エネルギー相:日本供与のガスタービンで電力システムが20万kW以上増強
  • NT-タオ、核融合でのEV充電を目指す
  • アルファ-9 ・オンコロジーとノーススターが供給契約を締結
  • 南極のマイクロプラスチックの研究に原子力科学を適用
  • オークリッジ請負業者のマネジャーが新進気鋭として注目受け
     

ロシアのレニングラード7/8号建設の主要段階への許認可発給

ロシアの連邦環境・技術・原子力監督庁(Rostechnadzor)は、レニングラード原子力発電所の7号機と8号機の原子力施設建設の許可をロスアトムに発給した。この許可は15年間有効であり、ロスアトムは、2029年及び2031年にVVER-1200新設原子炉への燃料装荷段階に到達することをターゲットとして、今後数年間で合計約150の建屋や構造物がサイト内に建設される予定であると述べた。公式スケジュールでは、それぞれ2030年と2032年に営業運転を開始する。建設許可取得のための申請書には原子炉ユニットの安全性に関する文書と、ソスノヴィ・ボール市に立地する同原発の建設準備が整っているかを確認する書類が含まれていた。

レニングラード原発では既に2基のVVER-1200型炉が運転中(画像:ロスアトム)

 

EDFは英国の既設原子力発電プラントへの新たな投資と運転延長を計画

EDFエナジー社は、英国で稼働中の原子力発電所5基に今後2年間でさらに13億ポンド(17億米ドル)を投資し、稼働中の4基の改良型ガス冷却炉(AGR)プラントの寿命をさらに延長する計画を発表した。EDFは英国の原子力発電所8カ所を操業しており、そのうち5カ所は運転中(サイズウェルB、トーネス、ヘイシャム2、ヘイシャム1、ハートルプール)、3カ所は廃炉に入っている(ハンターストンB、ヒンクリー・ポイントB、ダンジネスB)。 同社は2009年にブリティッシュ・エナジーを買収した際にこれらのサイトを承継した。同社はまた、サマセット州に新たにヒンクリー・ポイントCプラントを建設中で、サフォーク州サイズウェルCプラントとしてレプリカを建設する開発計画を有している。

ハートルプールAGRプラント(画像:EDFエナジー)

関連報道:

https://www.reuters.com/business/energy/edf-energy-aims-extend-life-uk-nuclear-power-plants-2024-01-09/ 

 

米DOE、エネルギー・インフラのセキュリティ確保に7,000万ドルを充当

米国DOE(エネルギー省)は、サイバー攻撃等のサイバー脅威から国家インフラを守るために最大 7,000 万ドルを割り当てる。DOE は、電気、ガス、石油設備のゼロトラスト・アーキテクチャを中心とするオールハザード・エネルギー・レジリエンス・プロジェクトによる資金供与への申請を受け付けている。

(画像:DOE/Flickr)

 

ウクライナ・エネルギー相:日本供与のガスタービンで電力システムが20万kW以上増強

国連開発計画(UNDP)と国際協力機構(JICA)の支援を受けて日本がウクライナ向けに提供する次期エネルギー設備はガスタービンの形式であり、発電容量の分散化に重要な貢献となる。ウクライナのヘルマン・ハルシチェンコ・エネルギー大臣はマスメディア向けの会見でこの点を強調した。「これは主に分散型発電に関するものだ。これらのタービンで電力システムに 20万kW以上が増強される。適切な発電容量が導入され、ウクライナ全土に分散される。」

日本の上川外務大臣(左)とウクライナのハルシチェンコ・エネルギー大臣(画像:ウクライナ・エネルギー省)

 

NT-タオ、核融合でのEV充電を目指す

核融合新興企業のNT-タオ社は、一度に最大1,000台の車両を充電できるEV充電ステーションとして使用するため、1万~2万キロワットを発電する核融合発電施設の開発を目指している。 同社は日本の本田技研工業の支援を受けており、2030年代にこの技術を商業化したいと考えている。

NT-タオは、貨物コンテナに収まるほど小型でありながら、1万~2万キロワットを発電できる核融合発電装置の開発に取り組んでいる(画像:Nikkei Asia)

 

アルファ-9 ・オンコロジーとノーススターが供給契約を締結

アルファ-9 ・オンコロジー社ノーススター・メディカル・ラジオアイソトープ社は、ノーススターがアルファ-9 にアクチニウム225(Ac-225)を供給する供給契約を締結した。複数年の長期供給契約により、アルファ-9 にノーススターの高純度無担体 (n.c.a.) Ac-225 が提供され、固形腫瘍および液状腫瘍の治療を目的としたアルファ-9 の標的放射性医薬品プログラムで使用される。この契約は、複数の未公開の発見段階プログラムに加えて、アルファ-9 の進行中の開発および臨床プログラムをサポートする。アルファ-9によると、ノーススターは臨床研究や商業用放射性医薬品治療用にAc-225を初めて商業規模で生産する企業の1つになるという。

 

南極のマイクロプラスチックの研究に原子力科学を適用

IAEA(国際原子力機関)とアルゼンチン南極研究所(IAA)は、南極におけるマイクロプラスチックの起源と量を特定するための共同調査を開始した。科学者らは、生物に有害であり、頻繁に摂取されるマイクロプラスチックを除去し、予防する方法を見出すため、ペンギンの糞(グアノ)、海底堆積物、氷床周囲の水からサンプルを採取して分析する。このプログラムではアルゼンチンの砕氷船アルミランテ・イリサルが使用され、分析は、南極にあるアルゼンチンのカルリーニ基地、モナコのIAEA研究センターで行われる。このIAEAミッションは、IAEAのNUTECプラスチック・イニシアティブを通じて実施される。NUTECプラスチック(プラスチック汚染を制御する原子力技術)は、放射線技術を用いたリサイクルや同位体トレーシング技術を用いた海洋モニタリングを通じてプラスチック汚染に対処するIAEAの取り組みを基盤としている。

(画像:IAEA)

関連報道:

https://www.reuters.com/business/environment/microplastics-antarctic-studied-penguin-droppings-water-2024-01-08/ 

 

オークリッジ請負業者のマネジャーが新進気鋭として注目受け

ユナイテッド・クリーンアップ・オークリッジ社の原子力事業担当シニアマネジャー、トミー・モーガン氏は、テネシー州のノックスビル・ニュース・センティネル紙が作成した最新の「40歳未満の40人(40 Under 40)」リストに名を連ねている。 Q&Aの中で、モーガン氏はオークリッジ国立研究所(ORNL)やY-12国家安全保障施設などの施設での放射性廃棄物の取り扱いの監督について話し、今後1年の計画について語る。

トミー・モーガン氏(画像:ノックスビル・ニュース・センティネル)