• フィンランド・オルキルオト 1 、 2 号の出力アップと運転延長の環境影響評価 プログラムを提出
  • 米国で原子力発電所が水素製造税額控除の対象から除外される可能性
  • NuScaleが人員削減、「重要な戦略分野への重点化」
  • コロラド州の石炭火力発電所の代替として SMRを推奨
  • データ・センターの脱炭素化には SMRが選択肢
  • 英国がHALEU製造プログラムを立ち上げ
  • IAEA、ベルギーの廃棄物管理への取り組みを評価
  • WIPPの支払い構造がINLの優先順位を維持する可能性
     

オルキルオト 1 、 2 号の出力アップと運転延長の環境影響評価 プログラムを提出

フィンランドのオルキルオト原子力発電所1、2号機(BWR)の運転認可延長と出力向上の可能性に関する環境影響評価(EIA)プログラムが、テオリスーデン・ボイマ社 (TVO)からフィンランド経済雇用省(TEM)に提出された。オルキルオト1/ 2号機は、それぞれ1978年9月と 1980年2月に送電を開始し、現在フィンランドの電力需要の 15% をまかなっている。2018年9月、フィンランド政府は両ユニットの運転許可を20年間延長することを承認した。この新たな認可で、現在、2基の沸騰水型原子炉(BWR)は2038年末まで運転が許可されている。TVOは2023年10月、認可延長と出力向上のためのEIA手続きを開始したと発表。 同社は運転認可をさらに10~20年間延長し、各原子炉の電気出力を89万kWから約97万kWに増すことを検討している。

オルキルオト1/2号機(画像:TVO)

 

米国で原子力発電所が水素製造税額控除の対象から除外される可能性

米財務省と米国税庁(IRS) は、「45V」クリーン水素製造税額控除に関するガイドラインを提案した。これは、製造された水素1kgあたり最大3ドルの税額控除を提供する。しかし、水素施設の稼働後3年以内に運転を開始したクリーンエネルギー生産者への融資を制限する措置により、ほとんどの原子力発電所が除外されることになり、脱炭素化の減速が懸念される。

 

 

NuScaleが人員削減、「重要な戦略分野への重点化」

小型モジュラー炉(SMR)開発会社NuScaleパワー社は、154人の従業員の解雇を含む対策を発表し、これにより年間5,000万~6,000万ドルが節約され、「商業的、財務的、戦略的に自社の状況が改善する」としている。NuScaleのジョン・ホプキンス社長兼CEOは、同社のSMR技術(米国NRCの承認を受けた唯一の技術)は「すでに競合他社よりも何年も先を行っている…今日、当社のSMR技術の商業化が当社の重要な目標であり、それには早期の展開と製造が含まれる」と語った。1/8に発行されたニュースリリースの中で、同社は、「研究開発から商業化へ移行するための措置を講じており、収益を生み出すプロジェクトの推進、新規の確保などの中核的な優先事項にリソースを整合させ、長期的な成功に向けて受注を確保し、NuScaleをの位置付けることが目的である」と述べた。

NuScale プラントの外観 (画像: NuScale)

関連報道:

https://www.reuters.com/business/nuscale-power-lay-off-28-labor-force-save-costs-2024-01-08/ 

 

コロラド州の石炭火力発電所の代替として SMR を推奨

米コロラド州の「プエブロ革新エネルギー・ソリューション諮問委員会(PIESAC)」は、雇用と税金への影響を理由に、エクセル・エナジーのコマンチ石炭火力発電所を小型モジュール式原子炉(SMR)に置き換えることを勧告した。 「コマンチ3号後にプエブロをまっとうものにする唯一の解は、先進的原子力開発だ」と委員会の共同委員長であるフランシス・コンシリャは言う。

エクセル・エナジーのコマンチ発電所(2020/3/7の写真)は、プエブロにあるコロラド州最大の発電所。 同石炭火力発電所は、141万キロワットを発電する。(マイク・スウィーニー、コロラド・サン紙特別記者)

 

データ・センターの脱炭素化には SMRが選択肢

マイクロソフト、グーグル、アマゾンなどの企業が所有するデータ・センターは大量の電力を使用するため、電源の脱炭素化の主な候補となっている。マイクロソフトは、データ・センターに電力を供給するための小型モジュラー原子炉(SMR)の使用を検討している。データ・センター運営はグローバルな性格なものであり、世界中の SMR に機会が提供される可能性がある。

(画像:Neutron Bytes)

 

英国がHALEU製造プログラムを立ち上げ

英国政府は、濃縮度5%超低濃縮ウラン(HALEU)プログラムを開始するために3億ポンド(3億8,100万米ドル)を投資すると発表。英国は欧州でHALEU燃料プログラムを開始する初の国となり、「HALEUの商業的供給元がロシアのみである状況を終わらせる」ことを目指す。英国エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)は、この投資はHALEUの国内生産を支援し、2050年までに最大2,400万kWの原子力発電を供給し、英国の電力需要の約25%を賄う計画の一部であると述べた。さらに、英国で他の先進的核燃料を製造するための技術と拠点を開発するために1,000万ポンドが提供され、「長期的な国内核燃料供給の確保と同盟国の国際支援に役立つ」と述べた。DESNZはさらに、「これは、英国北西部におけるウラン濃縮と燃料製造の国内能力により、核燃料生産における世界リーダーとしての英国の地位を築くものである」と付け加えた。

(画像:英国政府)

関連報道:

https://www.reuters.com/business/energy/britain-invest-300-mln-pounds-next-generation-nuclear-fuel-programme-2024-01-07/ 

 

IAEA、ベルギーの廃棄物管理への取り組みを評価

IAEA(国際原子力機関)のミッションは、ベルギーには放射性廃棄物と使用済燃料の管理のための強固な国家インフラがあると述べ、特定の廃棄物の流れと地層処分場に関する意思決定のための統合政策の策定を勧告した。ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、放射性廃棄物と受け入れた使用済燃料を管理しており、同機関が、IAEAの「放放射性廃棄物と使用済燃料の管理、廃止措置及び修復に対する統合レビューサービス(ARTEMIS)」チームを招請し、12月に10日間のミッションを行った。

国内で稼働中の原子炉のうち3基がドールにある(画像:エンジ―)

 

WIPPの支払い構造がINLの優先順位を維持する可能性

サラド隔離鉱山請負業者(SIMCO)は、ニューメキシコ州の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に輸送された放射性廃棄物の埋設作業で、2月から9月までに1,150万ドルの収入を得た。 WIPPは2023年、主にアイダホ国立研究所(INL)から479件の超ウラン元素(TRU)廃棄物を受け取ったが、ロスアラモス国立研究所(LANL)からの廃棄物を優先することについて議論が進行中である。 ただし、請負業者の 2024 会計年度の支払い構造では、INL の優先順位が継続する可能性がある。