• ベラルーシは「原子力エネルギーシェアで世界トップクラスになる可能性」
  • オクロとシーメンス、オーロラ炉向けサプライヤー契約で提携の可能性
  • ロールス・ロイスSMRの新任取締役は政府と緊密
  • 議員9人がパリセーズ原発への融資の迅速な審査を求める
  • ウクライナ・エネルゴアトムとウレンコがウラン供給で戦略的パートナーシップを強化
  • スカイハーバー社、カナダでウラン探鉱のため新たに2つの鉱区を取得
  • 米国エナジーフュエルズ社、3ウラン鉱山で生産開始
  • フィンランドのフォータム、ロビーサ原発向け燃料供給元をロシアから米国に転換へ
  • ライトブリッジ社トップ:COP28成果文書が原子力をソリューションとした意義
  • 核融合科学者ら、2022年に点火が3回再現されたと報告
  • イタリア・ガリリアーノ原発の原子炉容器の解体作業が始まる
  • IAEA事務局長、ウルグアイにがん治療装置とラセンウジバエ根絶で協力
  • DOE、2023年の除染プログラムの成功を喧伝

 

ベラルーシは「原子力エネルギーシェアで世界トップクラスになる可能性」

ベラルーシは2か所目の原子力発電所、または既設原子力発電所(オストロベツ1/2号)サイトでの3号機の建設を検討しており、エネルギーに対する原子力比率という点では、トップグループに入る可能性がある、とヴィクトル・カランケビッチ・エネルギー大臣は述べた。国営ベルタ通信によると、カランケビッチ氏は、ベラルーシ初の発電所で2号機が稼働開始したことにより、現在ベラルーシの電力の4分の1以上が原子力で発電されており、原子力発電で総発電量の40%以上を賄っているのは5カ国だけであると述べた。

(画像:ベルタ通信)

 

オクロとシーメンス、オーロラ炉向けサプライヤー契約で提携の可能性

オクロ社とシーメンス社は、シーメンスをオーロラ発電所の非原子力建屋の蒸気タービン発電機およびその他回転機器の優先サプライヤーとして指定する覚書を準備した。 シーメンスは2011年に原子力発電所への融資と建設の業務を中止したが、2021年からは溶融塩炉開発会社テレストリアル・エナジーとサプライヤーとして契約し、2023年の年次報告書で原子力施設への関与について言及していた。

 

ロールス・ロイスSMRの新任取締役は政府と緊密

スティーブン・ラブグローブ卿は、英国国家安全保障担当首相補佐官(NSA)、同国の旧エネルギー・気候変動省(DECC)事務次官を務めた経験があり、ロールス・ロイスSMRコンソーシアムの取締役に任命された。 英国企業就職諮問委員会(ACOBA)は、ラブグローブ氏が「ロールス・ロイスSMR取締役会にその戦略と提案について助言するために、(公職)在任中に得たスキルと経験を活用する」ことはできるが、「(公職)在任中に得た関係者外秘情報や連絡先を利用してはならない」と述べた。

2021年、米国ジェイク・サリバン国家安全保障担当補佐官(右)と話すスティーブン・ラブグローブ卿(写真:ヴァージニア・メイヨー/EPA)

 

議員9人がパリセーズ原発への融資の迅速な審査を求める

米連邦議会議員9名がDOEジェニファー・グランホルム長官とNRCクリス・ハンソン委員長に書簡を送り、ミシガン州のパリセーズ原子力発電所の再稼働に向けたホルテック・インターナショナルによる10億ドルの融資申請を「迅速に」審査するよう要請した。 ホルテックの幹部らは、DOEの融資は3つの部分からなる財務の「方程式」の最後を埋める部分であり、残る2つは州からの支援及び電力購入契約であり、最終的にまとめる必要があると述べた。

2022/2/17、セキュリティフェンス越しに見たパリセーズ原発(写真:デトロイトニュース経由クリス・デュモン)

 

ウクライナ・エネルゴアトムとウレンコがウラン供給で戦略的パートナーシップを強化

核燃料供給を多様化し、ロシア依存からの脱却に向け、ウクライナのエネルゴアトムは戦略的国際パートナー、特に国際企業ウレンコの協力を得てきた。ウレンコはエネルゴアトムに核燃料製造用の濃縮ウランを供給することになる。 契約は2035年まで有効で、2043年まで延長するオプションもある。ウレンコが提供する濃縮ウランは、エネルゴアトムのもう一人のパートナー、ウェスティングハウスの技術に基づく燃料の製造に使用される。

エネルゴアトムのペトロ・コティン総裁(左)とウレンコのボリス・シュヒトCEO(写真:エネルゴアトム)

 

スカイハーバー社、カナダでウラン探鉱のため新たに2つの鉱区を取得

スカイハーバー・リソーシズ社は、サスカチュワン州アサバスカ盆地において、ウラン探鉱に有望な2つの鉱区に投資する。「スカイハーバー社は、2024年の掘削と探鉱計画のために、1000万ドル以上の資金を十分に蓄えている」とジョーダン・トリンブルCEOは語った。

スカイハーバーは現在、25のプロジェクトにわたって約523,097ヘクタールを所有している。 クレジット: RHJPhtotos/Shutterstock.com

 

米国の3ウラン鉱山で生産開始

エナジー・フュエルズ社は、堅調な市況に応えて、アリゾナ州とユタ州にある認可・開発中のウラン鉱山3か所で生産を開始した。 同社はまた、1年以内にコロラド州とワイオミング州にあるさらに2つの鉱山でも生産を開始する予定だ。エナジー・フュエルズ社は、ピニヨン・プレーン、ラ・サル、パンドラの3鉱山で、2024年半ばから後半までに年間110万~140万ポンドでのフル操業までウラン生産能力を上昇させる予定であると言う。 しかし、「市場の状況、契約要件、および/または製錬所のスケジュールに応じて」製錬は2025年に行うべく、ユタ州にある同社のホワイトメサ製錬所に備蓄される予定である。

ユタ州にあるエナジー・フュエルズのホワイトメ製錬所は、地下の採掘現場から鉱石を製錬する米国で唯一稼働中の従来型ウラン製錬所 (画像: 米国NRC/エナジー・フュエルズ)

関連報道:

https://www.nucnet.org/news/energy-fuels-starts-production-at-three-mines-as-prices-rise-and-gov-t-shows-support-for-nuclear-12-5-2023 

 

フィンランドのフォータム、ロビーサ原発向け燃料供給元をロシアから米国に転換へ

12/21、フィンランドのフォータム・パワー・アンド・ヒート社は同国労働経済省にロビーサ原子力発電所(電気出力50万7,000kW,VVER-440×2基)の燃料調達に関する報告書を提出した。これは運転許可を2050年末まで付与した際の許可条件の1つで、将来の新燃料調達管理の報告書を2023年中に同省に提出する必要があった。この許可条件の目的は、ロビーサ発電所の燃料供給をロシアの製造業者のみに依存しないようにすることである。フォータムは2022/11/22、米国のウェスティングハウス・エレクトリック(WH)社とロビーサ発電所に新型燃料を供給する契約を締結したことを発表していたが、新しい燃料の導入は複数年にわたるプロジェクトであり、公式の承認が必要である。報告書によると、フォータムは2027年から2030年以降の期間の燃料生産に入札する予定だという。 WHとの現在の契約と新燃料在庫によって、入札までのロビーサへの燃料供給は確保できる。

ロビーサ原発(写真:フォータム)

 

ライトブリッジ社トップ:COP28成果文書が原子力をソリューションとした意義

COP28気候会議の成果文書では、「温室効果ガス排出量の大幅かつ迅速かつ持続的な削減」を達成するためのキーリストに原子力が含まれ、COP成果文書が気候変動に対する手段として原子力に初めて言及した。ライトブリッジの社長兼最高経営責任者(CEO)のセス・グレイ氏はこう書いている。「世界はついに、主要な国際機関や気候専門家が何年も言い続けてきたこと、つまり原子力エネルギーの拡大は気候目標を達成するために不可欠な部分であるということに基づいて行動しつつある」とグレイ氏は書いている。

 

核融合科学者ら、2022年に点火が3回再現されたと報告

米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の国立点火施設(NIF)の科学者らは、2022年には点火の再現に3回成功し、同年12月に3.15MJの放出で最高潮に達したと述べている。 このプロセスには、コショウの実ほどの大きさの燃料カプセルが入ったシリンダーに向かってほぼ 200 発のレーザーを発射することが含まれていた。

NIF施設でのDOEグランホルム長官へのインタビュー(画像:CNN)

 

イタリア・ガリリアーノ原発の原子炉容器の解体作業が始まる

イタリアの放射性廃棄物管理の実施主体である「原子力施設管理会社」(SOGIN)は、沸騰水型原子炉(BWR)圧力容器(RPV)の解体プロセスを開始した。同社によれば、これはBWRプラント廃止措置において最も複雑な解体作業であるという。カンパニア州での原子力廃止措置は最終段階に入り、SOGINは子会社のヌークレコ社と協力して、RPV頭部を取り外したと述べた。頭部を取り外すと、RPVの残りの部分を原子炉チャネルに浸水させることができる。これにより、その後の解体作業は水中となり、放射線は自然に遮蔽されるとSOGINは述べた。

RPV頭部の取り外しはBWR廃炉の最終段階の始まりとなる(画像:SOGIN)

 

IAEA事務局長、ウルグアイにがん治療装置とラセンウジバエ根絶で協力

IAEA の「レイズ・オブ・ホープ(希望の光)」構想の一環で、ウルグアイはがん検査・治療機器を受領。ラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長は、12/19、ウルグアイへの初の公式訪問で、マンモグラフィー装置5台と線形加速器を提供すると発表した。また、ウルグアイでは、家畜害虫の「新世界ラウセンウジ虫」により、推定年間1億5,000万米ドルの被害が発生している。ラセンウジ虫は寄生性のハエの幼虫で、恒温動物を捕食し、致命傷を与える可能性がある。IAEAはウルグアイに対し、不妊虫放飼技術(SIT)を利用した新世界ウセンウジ虫の根絶に向けた技術支援を提供してきている。12/20、事務局長はフェルナンド・マットス畜産・農業・水産大臣と会談し、ラセンウジ虫根絶の取り組みや、動物から人間に感染し得るバクテリア、寄生虫、真菌、ウイルスが引き起こすパンデミック防止のを支援するIAEAのZODIACイニシアチブを通じた、人獣共通感染症との闘いにおけるIAEAの役割について協議した。

グロッシ事務局長は、ウルグアイのモンテビデオのマヌエル・キンテラ病院に線形加速器を供与することを発表(写真:D. カンダノ・ラリス/IAEA)

グロッシ事務局長、ラセンウジバエにSITを適用している国立農業研究所実験場を訪問 (写真: D. カンダノ・ラリス/IAEA)

グロッシ事務局長Xポスト:

https://twitter.com/rafaelmgrossi/status/1737104770555396397

https://twitter.com/rafaelmgrossi/status/1737483184864940214

 

DOE、2023年の除染プログラムの成功を喧伝

米DOE(エネルギー省)環境管理(EM)局の年次総括報告書では、アイダホ州での使用済核燃料の湿式貯蔵から乾式貯蔵への移送や、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での安全性を考慮した密閉換気システムの導入など、成功した除染プロジェクトの概要が紹介されている。「過去1年間の従業員の努力はよりクリーンな環境をもたらしたと同時に、DOEの国家安全保障の使命を強化し、科学革新を支援し、より良い未来を可能にした」とDOE環境管理局上級顧問ウィリアム・アイク・ホワイト氏は述べた。

(画像:DOE)