• ポーランドのポモージェ県、原発立地案を支持
  • スロベニア・クルスコ原子力発電所で配管取替作業が進行中
  • バイデン大統領、国内のHALEUプログラムに22億ドルを要求
  • サトゥ・カタヤラ氏がWANO地域センター所長に就任
  • EPRI、NEA が“ WISARD” 廃棄物統合プロジェクトで協力
  • ニューメキシコ州の放射性廃棄部処分場WIPPにエアシャフトが完成
  • ゼノ・パワー が新たなラジオアイソトープSr-90熱源を開発
  • 新たなオンライン論文コレクションで、原子力の未来を考察
     

ポーランドのポモージェ県、原発立地案を支持

ポーランドのポモージェ県ホチェバ自治体ルピアトボ・コパリノ・サイトに同国初の原子力発電所を立地する(陸と海の両方の用地範囲を決定)との地方当局の決定により、ポーランド原子力発電会社(PEJ)は準備作業エリアの使用権を得た。提案されているプラントはポーランド北部の海岸に建設され、総発電容量375万kWのウェスティングハウス製AP1000型原子炉3基が建設される予定である。

プラントの完成予想図(画像:PEJ)

 

クルスコ原子力発電所で補修作業が進行中

スロベニアのクルスコ原子力発電所は、一次冷却系の配管継手部で漏洩が発見されたのを受け、10月初旬に停止した。運転事業者のクルスコ原子力発電会社(NEK)は、さらなる調査と分析の結果、原子炉容器から最初の弁までの配管セグメント全体を交換することを決定したと述べた。

格納容器内の一次系に漏洩があるとの指示があり、予防措置として10/6午前5時30分に原子炉を停止した。その後の調査で、同社が「原子炉容器から1m離れた一次冷却系配管のレデューサ継手の溶接部に縫い針ほどの大きさの穴」があるのを発見したと発表。考えられる原因は、「溶接プロセスに隠れた欠陥があった、材料の欠陥、材料の熱疲労、応力腐食、機械的応力」とされた。121体の燃料集合体すべてが原子炉容器から取り出され、配管系を超音波探傷して漏れの原因を特定した。NEKは、調査の結果「漏洩配管で配管材にさらなる異常が確認された」ことが示唆され、影響を受けた配管系を交換する決定に至ったと述べた。 OEMサプライヤーであるウェスティングハウス社とともに、系統の他のラインの配管も交換するという「保守的な」決定が下された。

(画像:NEK)

 

バイデン大統領、国内のHALEUプログラムに22億ドルを要求

米国ホワイトハウスは連邦議会に対し、「低濃縮ウランおよび濃縮度5%超低濃縮ウラン(HALEU)の長期的な国内濃縮能力を向上させるための追加資金」として22億ドルを要請するとともに、ロシア産ウランの長期輸入禁止も求めている。

 

サトゥ・カタヤラ氏がWANO地域センター所長に就任

世界原子力発電事業者協会(WANO)は、サトゥ・カタヤラ氏を次期パリセンター所長に任命し、これを「原子力産業界での多様性を支える重要なマイルストーン」としている。カタヤラ氏は現在、フィンランドのフォータム社ロビーサ原子力発電所で原子力安全監理および国際協力を担当する副所長を務めており、30年以上にわたり原子力事業と放射線防護の分野で幅広い役割を果たしてきた。

カタヤラ氏(画像:WANO)

 

EPRI、NEA が“ WISARD” 廃棄物統合プロジェクトで協力

近く発足予定の「小型炉・先進炉設計のための廃棄物統合プロジェクト(WISARD)」は、フロントエンドおよび設計段階の決定が、持続可能な将来の原子力システムをサポートするバックエンド戦略にどのような影響を与えるかを探ることに焦点を当てる。

OECD/NEAによるWISARDプロジェクトでは、長期の処分、輸送、処理・リサイクル・再処理、中間貯蔵という 4つの主要なテーマを中心に、使用済燃料と放射性廃棄物の特有の課題に焦点を当てた、初の国際プラットフォームを構築することを目指す。EPRI はこのプロジェクトに対する初の資金援助者となる。WISARDプロジェクトの作業は 2024 年の第 3 四半期に正式に開始され、2027 年まで継続される予定。

NEA事務局長ウィリアム・D・マグウッド4世(左側)とEPRI上級副所長ニール・ウィルムシャーストは、初の政府・産業界会議の後、プロジェクト開発に対するEPRIの支援を最終決定した(画像:NEA)

 

ニューメキシコ州の放射性廃棄物処分場にエアシャフトが完成

ニューメキシコ州の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)は、1億ドルを投じて深さ2,275ft(693m)の吸気シャフトを完成させた。空気量が増すことで、作業員は掘削や保守の作業を同時に行いながら、廃棄物を定置できるようになる。

WIPP(写真:Nathan J Fish/Sun-News)

 

ゼノ・パワー が新たなラジオアイソトープ熱源を開発

ゼノ・パワー社は、月や海中を含むさまざまな環境でオフグリッド電力を生成できる新しいラジオアイソトープ熱源の実証に成功した。ワシントン州のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)で行われた実証試験では、ストロンチウム90の放射性崩壊によるエネルギーを使用しており、既存のストロンチウムベースの発電技術よりも設置面積が小さくなる。

試験中にSr-90熱源を移送ポートから取り出すPNNLチームメンバー (写真:ゼノ・パワー)

 

新たなオンライン論文コレクションで、原子力の未来を考察

米国原子力学会(ANS)の「原子力科学技術オープンリサーチ(NSTOR)」プログラムでは、ミシガン大学アディティ・ヴェルマ助教授が進める「原子力の未来の再考:技術、政策、社会に関する新たな声」と呼ばれる論説記事と政策論文の新しいコレクションを開設した。 オンラインコレクションは2024年まで無料で利用できる。