• ロシア多目的研究用高速炉MBIRの原子炉ブロックの屋根が完成
  • スロバキア・モホフチェ3号機、試運転プロセスを正常に完了
  • カナダの各州が協調的な石炭火力の段階廃止計画を発表
  • ライトブリッジ燃料のCANDU原子炉における使用を評価する研究
  • スウェーデンと英国、原子力分野を含む戦略的協力強化に合意
  • DOE、中西部クリーン水素同盟ハブに10億ドルの資金
  • ワシントン州原子力議員団、気候変動対策として原子力発電所の増設を提唱
  • インディアン・ポイント原子力発電所の乾式キャスク貯蔵施設に使用済燃料を移送
  • ブルース・パワー、カナダでの医療用アイソトープ生産量増強への取り組みを開始
  • ニュークリアス・ラジオファーマ、5,600万ドルの資金を確保
     

ロシア多目的研究用高速炉MBIRの原子炉ブロックの屋根が完成

ロシアの多目的ナトリウム冷却高速中性子研究炉MBIRの建設は、建屋へのドームの設置により新たなマイルストーンに達した。原子炉研究所(RIAR)のアレクサンダー・トゥゾフ所長は、「MBIR原子炉複合施設の建設は、国内の原子力産業に今後数十年間にわたって最新の技術的に進んだ研究インフラを提供するための新たな重要なステップである」と述べた。 MBIRでは、エネルギー利用だけでなく、医療から宇宙に至るまで、原子力技術を利用する他のすべての産業のために実験を実施する予定だ。

アーチ状の部分をそれぞれ別々に移動させた(画像:ロスアトム)

 

モホフチェ3号機、試運転プロセスを正常に完了

スロバキア電力(SE)は、新設のモホフチェ原子力発電所3号機の原子炉が定格全出力での144時間の実証運転を成功裡に完了し、既設原子力フリートに仲間入りしたと発表した。4 ユニットのVVER-440からなる モホフチェ原発の1/2号機の建設は 1982 年に始まった。3/4号機の工事は1986年に開始されたが、1992 年に停滞。1/2号機は完成し、それぞれ1998年と 1999年に運転開始された。 3/ 4号機完工に向けたプロジェクトが 10 年後に再開。 4号機のスケジュールは 3号機より約1~2年遅れで進行。各ユニットは全出力運転でスロバキアの電力需要の 13% を供給できる。

モホフチェ3/4号はそれぞれ、スロバキアの電力需要の 13% を発電 (画像: SE)

 

カナダの各州が協調的な石炭火力の段階廃止計画を発表

カナダ政府は、2030年までの石炭火力発電の段階的廃止を可能にするため、ノバスコシア州とニューブランズウィック州に連邦政府から2,000万カナダドル(1,500万米ドル)近くの資金を提供して支援すると発表した。この資金には、ニューブランズウィック州ポイント・ルプローでの小型モジュール型原子炉の開発前作業支援のための700万カナダドルが含まれている。カナダ連邦政府、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州の関係閣僚は10/16、「ノバスコシア州とニューブランズウィック州におけるクリーンで信頼性が高く、安価な電力の開発と送電に関する共同政策声明」に合意し、これらの目標を達成するための2つの路線からなる協力プログラムの概要を示した。

 

ライトブリッジ燃料のCANDU原子炉における使用を評価する研究

先進核燃料技術企業ライトブリッジ社は、ルーマニアのピテシュ原子核研究所(CN-Pitesti)と協力して、ライトブリッジ燃料をCANDU型加圧重水炉(PHWR)で使用する場合の両立性と適合性を評価するための工学研究を実施する。同社は、螺旋状のマルチローブ設計の金属燃料棒を特徴とする独自のライトブリッジ燃料技術により、既存の軽水炉やPHWRの原子炉の安全性、経済性、耐拡散性を大幅に向上できると述べている。 同社はまた、小型モジュール型原子炉用のライトブリッジ燃料の開発も行っており、「同様のメリットに加え、再生可能エネルギーと協調した負荷追従性をゼロカーボン電力網に与える」と言う。

ライトブリッジ燃料集合体(画像:ライトブリッジ)

 

スウェーデンと英国、原子力分野での協力強化に合意

英国とスウェーデンの間で、「安全保障と防衛、イノベーション、科学、エネルギーと気候、人と人、貿易と投資を含む二国間関係全体にわたる協力の活性化と深化」を目的とした戦略的パートナーシップが締結された。 これには、小型モジュール型原子炉を含む原子炉技術や核燃料供給の多様化に関する協力が含まれる。

 

DOE、中西部クリーン水素同盟ハブに10億ドルの資金

米DOE(エネルギー省)は、発電、鉄鋼とガラスの生産、大型車両の走行に水素を生産、流通、使用するためのサプライチェーンを構築するため、中西部クリーン水素同盟(MachH2)に最大10億ドルを提供する。このハブは原子力を含むエネルギー源を利用して水素燃料を生成し、1,500の常用雇用を含む13,600の直接雇用を創出する。

 

ワシントン州原子力議員団、気候変動対策として原子力発電所の増設を提唱

ワシントン州議会に新設された超党派、上下両院の原子力議員団は、再生可能エネルギーや送電網などの戦略を補完する原子力発電所、特に小型モジュール型原子炉の増設を推進することで、エネルギーと気候の危機に対処することを目指している。 同州は温室効果ガスの排出を抑制するための積極的な法案を可決しており、太平洋岸北西部では1,200万キロワットの石炭火力発電所が停止されており、クリーンで信頼性が高く、安価なエネルギーが緊急に必要とされている。

 

インディアン・ポイント原子力発電所の乾式キャスク貯蔵施設に使用済燃料を移送

ニューヨークのインディアン・ポイント原子力発電所のすべての使用済み燃料は、州の要件に従って乾式キャスク保管庫に安全に移送されている。この移送は同発電所の廃止措置の一環である。

 

ブルース・パワー、カナダの医療用アイソトープ生産量を増強への取り組みを開始

ブルース・パワーとオンタリオ州オーウェン・サウンド市は、「オンタリオ州南西部同位体連合」を立ち上げた。同連合は、カナダの同位体生産を2020年代末までに倍増し、今後10年間で15%拡大すると予想される産業から恩恵を受けることを目指す。 「多くの人は原子力発電に注目し、電力、エネルギー、電気のことだけを考えているが、多くの人は、特にCANDU原子炉にできるもう一つの重要な側面、それが医療用アイソトープであることを実際には認識していない。」 BWXテクノロジーズ社のスコット・グレイ・プロジェクトおよびサービス担当上級副社長は述べている。

10/16撮影ブルース・パワー原子力施設で製造された医療用アイソトープのサンプル(スコット・ミラー/CTVニュース・ロンドン)

 

ニュークリアス・ラジオファーマ、5,600万ドルの資金を確保

ニュークリアス・ラジオファーマ社は、がん患者向けの放射性治療薬の生産を拡大するためのシリーズ A 資金調達ラウンドで 5,600 万ドルを確保した。エクリプス社とGEヘルスケア社が主導した今回の投資で、ニュークリアス・ラジオファーマは研究を加速し、サプライチェーンを合理化し、標的放射線療法の利用を促進するのに役立つと述べている。 他の投者には、エコー・グローバルl、フォックス・チェイスがんセンター、グレンジャー・マネージメント、メイヨークリニック、マーシー・ヘルス、ミズーリ大学が含まれる。ニュークリアス・ラジオファーマは、標的放射線療法とセラノスティクスの分野で主導的な受託開発製造機関 (CDMO)としての地位を確立することを目標として、昨年設立された