旨さを左右する色 | 稲取温泉旅館 食べるお宿 浜の湯 板前の道

旨さを左右する色

浜の湯調理場デス。

料理は色で食べる…
なんて言葉が昔から言われていますが。

正にその通り、色は、
食欲を大きく左右する、食べ物にとって大事な物なのである。

しかしながら、案外に食べ物と色の関係について無関心な所が我々にはあるのではないか。

食べ物はまず、見た目で安心感が
あるか、無いか、
が肝心で 調理する素材の良さが一番に上げられるのだが、
その良し悪しを見極める際にまず、
素材の健康な色艶を見て選ばなければならないのである。
素材選びからして、我々は人は、色を頼りにしているのが事実なのである。

そして、食材の加熱による色の変化、器、照明、食卓の装飾、相手がいる場合の服装の色などなど…
食欲とその料理の美味しさに、大きく影響を与えるのが、「色」なのである。

科学的、心理学的、統計学的に食と色の関係は真面目に昔から研究されて来た事柄であり、その結びつきは切っても切れないものに間違いない所なのだが、
一昔前までの 、余りにも色や見てくれにこだわり健康を害する食品添加物満載の加工食品が溢れかえった時代が過ぎ去り、(ハムやソーセージ、菓子に代表される)
自然で健康的な食材を求めるのが当たり前の今現在の思考に変わって、
今更ながら自然の食品の色の美しさに気ずいて来たのが現実である。

昔は何処の調理場でも、色をつける為の添加物が有り、使用頻度はかなり多かったのであるが、

現在は余り使わなくなっているのが現実である。

食品の色は、自然の色が健康的に付いた食べ物が身体に良いと云う事は、大昔から我々人間にうえつけられた感覚であるのだから、余りにも人工的な色相はやはり、受け入れることが出来無いものなのかもしれない。

そんなところで、食い物の「色」は非常に大事な所である、我々調理する人間がしっかりとした認識を持ち続けなければ、
一昔前のなんでもありの見た目だけが良い醜い食べ物が横行するハメに逆戻りしてしまうのである。

食い物の「色」を見極める力を養うのも、我々料理する人には絶対的に必要な所だと云う事である。