日本を代表する作曲家、伊福部昭(1914~2006)を代表する作品でありデビュー作でもあ、『日本狂詩曲』を紹介する。
伊福部の名は、とりわけ『ゴジラ』に代表される映画音楽において知られているものの、残した作品は多岐にわたっている。その彼が世に初めて送り出した作品が『日本狂詩曲』である。
曲は『夜曲』と『祭り』と題されて2つの曲から成っている。『夜曲』では、ヴィオラの独奏が酒盛り歌の様に奏でられる主題が侘しさに溢れている。その後に展開される音楽は、タイトルの通りの夜の音楽であり、暗澹たる空気に包まれているのが特徴だ。『祭り』では終始、祭り囃子の主題がたたみかけるように登場し、日本人の熱気に満ち溢れた祭りが表現されている。節回しは祭り囃子そのものといえ、民族主義的な伊福部を象徴するかのような音楽でもある。
後の伊福部の音楽にも見られる民族主義的な力強さが満ち満ちと溢れている作品であり、とにかく、日本的な情緒が終始漲っており、西洋音楽的では全くない。逆にそれが、日本のオーケストラで聴くことにより、その迸る日本人のパッションが幾重にも増大していく魅力を孕んでいるといえる。
【推奨盤】

沼尻竜典/東京都交響楽団[2000年7月録音]
【NAXOS:8.555071(輸)】
伊福部の名は、とりわけ『ゴジラ』に代表される映画音楽において知られているものの、残した作品は多岐にわたっている。その彼が世に初めて送り出した作品が『日本狂詩曲』である。
曲は『夜曲』と『祭り』と題されて2つの曲から成っている。『夜曲』では、ヴィオラの独奏が酒盛り歌の様に奏でられる主題が侘しさに溢れている。その後に展開される音楽は、タイトルの通りの夜の音楽であり、暗澹たる空気に包まれているのが特徴だ。『祭り』では終始、祭り囃子の主題がたたみかけるように登場し、日本人の熱気に満ち溢れた祭りが表現されている。節回しは祭り囃子そのものといえ、民族主義的な伊福部を象徴するかのような音楽でもある。
後の伊福部の音楽にも見られる民族主義的な力強さが満ち満ちと溢れている作品であり、とにかく、日本的な情緒が終始漲っており、西洋音楽的では全くない。逆にそれが、日本のオーケストラで聴くことにより、その迸る日本人のパッションが幾重にも増大していく魅力を孕んでいるといえる。
【推奨盤】

沼尻竜典/東京都交響楽団[2000年7月録音]
【NAXOS:8.555071(輸)】