典雅な雰囲気に包まれた管弦楽曲として広く演奏される事の多い、ガブリエル・フォーレ(1845~1924)のパヴァーヌを合唱付きで紹介する。
最初は、管弦楽のために書かれた作品であり、オーケストラだけで演奏される機会には大変恵まれている作品だが、ここで紹介する合唱付きの管弦楽版はパトロネスの勧めで合唱を後から付け加えられたと言われている。曲は7分程度の短い作品であり、ギャラント・スタイルで書かれている。優雅な中に、どこかもの哀しい雰囲気に包まれている作品となっているのが特徴で、フォーレの作品の特徴ともいえる洗練された抒情的でかつ、水彩画的な美しい色彩感といった特徴が顕著に表れている作品と呼べるだろう。ここで紹介する小澤の演奏は、静謐で詩情溢れる空気の中に潜むパッションを感じる事ができる、フランス音楽を得意とする小澤ならではの秀演といえる。
【推奨盤】
小澤征爾/タングルウッド音楽祭合唱団/ボストン交響楽団[1986年11月録音]
【DG:POCG-7064】