アメリカの音楽史上、最も美しいコントラルトと言っても過言ではないマリアン・アンダーソン(1897~1993)の名唱を紹介したい。
黒人差別を受けて育った彼女の歌唱は、様々な「愛」に満ち溢れた、心に染み入る説得力を帯びている。ソプラノからバリトンの音域までを歌う事が可能な彼女の表現力は音域以上に音楽に幅を持たせているといえる。
特に民族的で、あるいはノスタルジックな作品ともなると、彼女の歌唱は、なんとも情緒豊かに聴き手に語りかけてくるものがあり、その世界に一気に曳き込まれる魅力を孕んでいる。
ここで紹介するハルフダン・シェルルフ(Halfdan Kjerulf/1815~1868)の『昨夜』も然りだ。ノルウェーの作曲であり、ノルウェーの民族音楽とドイツ・ロマン派の音楽を融させた独特の作風を持つシェルルフは、130曲余りの歌曲を残しており、その彼独自の世界を歌曲の中で充分に感じる事が出来る。コントラルトと併せて奏でられている、チェロの美しい旋律は、歌心に溢れたもので、うっとりと聴き入ってしまう小品であり、アンダーソンが絶頂にあった1960年代の録音も相俟って、その魅力は諮り知る事が出来ないほどに「深い」。
【推奨盤】

ロバート・ラッセル・ベネット/マリアン・アンダーソン(A)/RCAビクター室内管弦楽団[1964年2月録音]
【RCA:BVCC-37352】
黒人差別を受けて育った彼女の歌唱は、様々な「愛」に満ち溢れた、心に染み入る説得力を帯びている。ソプラノからバリトンの音域までを歌う事が可能な彼女の表現力は音域以上に音楽に幅を持たせているといえる。
特に民族的で、あるいはノスタルジックな作品ともなると、彼女の歌唱は、なんとも情緒豊かに聴き手に語りかけてくるものがあり、その世界に一気に曳き込まれる魅力を孕んでいる。
ここで紹介するハルフダン・シェルルフ(Halfdan Kjerulf/1815~1868)の『昨夜』も然りだ。ノルウェーの作曲であり、ノルウェーの民族音楽とドイツ・ロマン派の音楽を融させた独特の作風を持つシェルルフは、130曲余りの歌曲を残しており、その彼独自の世界を歌曲の中で充分に感じる事が出来る。コントラルトと併せて奏でられている、チェロの美しい旋律は、歌心に溢れたもので、うっとりと聴き入ってしまう小品であり、アンダーソンが絶頂にあった1960年代の録音も相俟って、その魅力は諮り知る事が出来ないほどに「深い」。
【推奨盤】

ロバート・ラッセル・ベネット/マリアン・アンダーソン(A)/RCAビクター室内管弦楽団[1964年2月録音]
【RCA:BVCC-37352】