『アルメニアン・ダンス』や『エル・カミーノ・レアル』『春の猟犬』をはじめ、数多くの吹奏楽の名曲で知られるアルフレッド・リードは、意外と言っていいほどにマーチの作曲が少ない。そんな中で彼の代表作とも呼べるのが『セカンド・センチュリー』だ。彼の作品の多くを出版していた出版会社の創立100周年を記念して委嘱、作曲された作品で、「2世紀目の更なる飛躍と繁栄」を意味して作られ、オーソドックスなコンサートマーチの形式をとったメリハリの効いた実に爽やかな曲風といえる。

関西の吹奏楽の重鎮、木村吉宏率いるフィルハーモニック・ウインズ大阪の演奏は実に快活な演奏といえる。トリオ部で聞かせる美しさは、ライブ録音による手拍子により違和感を感じるが流麗で美しく仕上げられており、2度にわたる転調も色鮮やかに描き分けている名演といえる。

【推奨盤】
乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床
木村吉宏/フィルハーモニック・ウインズ大阪[2011年4月録音]【四つ葉印:YGMO-1011】