フランツ・レハール(1870~1948)が残したワルツの名曲『金と銀』を紹介する。

オペレッタ作曲家として活躍していた当時のレハールの下に、侯爵夫人からの依頼で作曲されたのが『金と銀』である。当時、侯爵夫人が催していた謝肉祭の合間の舞踏会では常に課題が課せられていたという。今回は『金と銀』ということで、会場は銀色に照らされ、天上は金色の星が輝き、壁は金銀の装飾が為され、舞踏会の参加者は金銀に彩られた服装を身に纏っていたと言われている。その舞踏会のために作曲されたのがこの曲であり、実に煌びやかなウインナ・ワルツといえる。

ウィーンのローカル的なオーケストラではあるものの、日本にも幾度となく来ているヨハン・シュトラウス管の演奏は、なんの衒いもない「ウィーン節」が全開しており、実に心地よい楽しい気分にさせてくれる演奏といえる。


【推奨盤】
乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床

ウィリー・ボスコフスキー/ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団[1980年代録音]

【EMI:CDC 7 47020 2(輸)】