もともとはオペラ『ベンヴェヌート・チェルリーニ』の第2幕の前奏曲として書かれたものの、幕間の音楽としては非常に長くかつ。単独の作品としても勝れていることから、序曲『ローマの謝肉祭』として独立して演奏されるようになったといわれている。

作品はベルリオーズらしい情景描写にすぐれた色彩感覚が特徴的で、幸福感に酔いしれる愛の二重唱や、軽快なサルタレッロのリズムの描写は色鮮やかである。

デュトワとモントリオール響の演奏は模範的ともいえるほどに、色彩感覚に優れている。華麗でありかつ流麗であるデュトワの面目躍如の演奏といえる。


【推奨盤】
乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団[1995年録音]

【DECCA:452 480-2(輸)】