組曲『グランド・キャニオン』やラプソディー・イン・ブルーのオーケストレーションで有名なファーディ・グローフェの隠れた名曲『ミシシッピ組曲』を紹介する。タイトルは知らずとも、耳にした事のある方は多いであろう作品だ。

作品は4つの曲から構成されており、それぞれ「父なる河」「ハックルベリー・フィン」「オールド・クレオール・デイズ」「マルディ・グラ」と題されている。雄大な流れを表現した第1曲、第3曲では暮れ往く太陽に照らされる大河を絶妙なオーケストレーションで表現しており、まさに「音の旅行」といえる。第2曲と第4曲は日本テレビ系列で一昔前に放送されていた「アメリカ横断ウルトラクイズ」の音楽として使用されていた曲である。

ロックハートの演奏は全体的に少しテンポを落としながら、ミシシッピの風景を描写している。快演である。


【推奨盤】
乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床

キース・ロックハート/ボストン・ポップス・オーケストラ[1996年11月録音]

【RCA:09026-67876-2(輸)】