ドイツ国民歌劇の奔りとして『魔弾の射手』を作った作曲家としてカール・マリア・フォン・ウェーバーの名が挙げられるが、彼は他にもオペラを作曲している。しかし、今日ではそれらの多くは序曲のみが暫し演奏される程度であるが、その序曲だけでも聴き応えは十分にある程に面白いバラエティーに富んだ作品の数々だ。
ここで紹介する『アブ・ハッサン』はアラビアンナイトを素材とした話で、軽妙でかつコミカルなストーリーが実に面白い。
「借金で首が回らないアブ・ハッサンは、家族が死んだ時に葬儀費用と葬儀用の衣装が支給されること思い出し、妻と互いが死んだことを偽り、二重支給を企む」というところからオペラは始まる。その後、「うまく見舞金をせしめることに成功したアブ・ハッサンだったが、死亡を確認するために首長とその妻が自宅を訪れてくる」というのだ。
なんだか、いつの時代も似たような話はあるものだと感慨深くなるストーリーではある。オペラ自体は50分にも満たない長さであり、こんなにも台詞が多いオペラも珍しいのではないかと感じる。
サヴァリッシュの演奏は、実にシャープな演奏であり、台詞が多いことを感じさせない引き締まった演奏を繰り広げている。まさに職人である。
【推奨盤】

ヴォルフガング・サヴァリッシュ/エッダ・モーザー(S)/ニコライ・ゲッダ(T)/クルト・モル(B)/バイエルン国立歌劇場合唱団/バイエルン国立歌劇場管弦楽団[1975年5月録音]
【CPO:999 551-2(輸)】
ここで紹介する『アブ・ハッサン』はアラビアンナイトを素材とした話で、軽妙でかつコミカルなストーリーが実に面白い。
「借金で首が回らないアブ・ハッサンは、家族が死んだ時に葬儀費用と葬儀用の衣装が支給されること思い出し、妻と互いが死んだことを偽り、二重支給を企む」というところからオペラは始まる。その後、「うまく見舞金をせしめることに成功したアブ・ハッサンだったが、死亡を確認するために首長とその妻が自宅を訪れてくる」というのだ。
なんだか、いつの時代も似たような話はあるものだと感慨深くなるストーリーではある。オペラ自体は50分にも満たない長さであり、こんなにも台詞が多いオペラも珍しいのではないかと感じる。
サヴァリッシュの演奏は、実にシャープな演奏であり、台詞が多いことを感じさせない引き締まった演奏を繰り広げている。まさに職人である。
【推奨盤】

ヴォルフガング・サヴァリッシュ/エッダ・モーザー(S)/ニコライ・ゲッダ(T)/クルト・モル(B)/バイエルン国立歌劇場合唱団/バイエルン国立歌劇場管弦楽団[1975年5月録音]
【CPO:999 551-2(輸)】