吉松隆(1953~)が作曲したピアノ協奏曲は、その名も『メモ・フローラ』・・・「花についての覚え書」という邦訳が。花びらがだんだん開き、水面を花びらが漂い揺れ、満開の花が春の爽やかな風に吹かれる。各楽章の風景は目を閉じると自然と想起させられるほどに美しさに満ち溢れている。これほどまでに美しい曲は他に無いであろう、と思いたくなる位にこの曲は、ただ只管に美しい。
FLOWER(花)、PETALS(花びら)、BLOOM(花)と題された3つの楽章からなっており、「花たちへの賛歌」と作曲者は表現している。どの楽章もそれぞれ美しいのだが、個人的には8分の4拍子と8分の5拍子の変拍子となる第3楽章は、まるで花たちが風に吹かれながらダンスを踊っているかのような、疾走するフィナーレが印象的だ。
自分は、この作品の日本初演に立ち会う事が出来た一人である。この作品を献呈された田部京子がピアノを弾き、藤岡幸夫が指揮する日本フィルハーモニー交響楽団の定期公演だったが、その時のカーテンコールは忘れることはできないだろう。鳴り止む事のない拍手が会場を包み込んでおり、それこそ、この作品が誰もの心に響く作品であることを証明してくれていたと感じずにはいられない。
【推奨盤】

藤岡幸夫/田部京子(Pf)/マンチェスター・カメラータ[1998年5月録音]
【CHANDOS:CHAN 9652(輸)】
FLOWER(花)、PETALS(花びら)、BLOOM(花)と題された3つの楽章からなっており、「花たちへの賛歌」と作曲者は表現している。どの楽章もそれぞれ美しいのだが、個人的には8分の4拍子と8分の5拍子の変拍子となる第3楽章は、まるで花たちが風に吹かれながらダンスを踊っているかのような、疾走するフィナーレが印象的だ。
自分は、この作品の日本初演に立ち会う事が出来た一人である。この作品を献呈された田部京子がピアノを弾き、藤岡幸夫が指揮する日本フィルハーモニー交響楽団の定期公演だったが、その時のカーテンコールは忘れることはできないだろう。鳴り止む事のない拍手が会場を包み込んでおり、それこそ、この作品が誰もの心に響く作品であることを証明してくれていたと感じずにはいられない。
【推奨盤】

藤岡幸夫/田部京子(Pf)/マンチェスター・カメラータ[1998年5月録音]
【CHANDOS:CHAN 9652(輸)】