メキシコの作曲家、フベンティーノ・ローサス(1868~1894)が残した不朽の名作『波濤を越えて』を紹介する。
26歳の若さで亡くなったローサスが、23歳の時に書いた作品であり、序奏と終結部の間にいくつかのワルツが登場する簡潔明瞭な作品だ。特に序奏の後に現れる最初のワルツが有名である。作品名の通り、波間をゆっくりと進む様子を表現しているかのような、ゆったりとした流麗なワルツであり、その旋律こそがこの作品の聴きどころでもある。
ウィーンのオーケストラで聴くと、まるでシュトラウス一家の音楽と誤解してしまう位に美しい作品であり、ウィーンの音楽家による録音をお薦めした。
フランツ・バウアー=トイスル/ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団[1980年代録音]
【PHILIPS:468 123-2】