島国・キューバを代表する作曲家、エルネスト・レクオーナ(1895~1963)の代表曲を紹介する。


カーニヴァルの行列が遠くからやってきて、また去っていく様子を、期待と哀感というミスマッチな雰囲気を兼ね備えた表情で描き上げた作品、『ラ・コンパルサ[仮装行列]』は、今ではレクオーナを語るには、『マラゲーニャ』とともに、はずすことのできない名刺代わりの一曲といえる。

モーリス・ラヴェルが称賛したといわれるレクオーナだけあり、民衆的な色使いが特徴的で、空の色や人々の表情までもが眼前に広がるかのような描写力といえる。


モートン・グールドの演奏も、少し「ライト」な趣きになってしまっているのは否めないが、作品の表情は鮮やかに表現されている名盤といえる。


【推奨盤】
乾日出雄とクラシック音楽の臥床

モートン・グールド/ヒズ・オーケストラ[1955年9月&10月録音]

【RCA:09026-68922-2(輸)】