ハチャトゥリアンといえば、真っ先に『剣の舞』に代表されるバレエ音楽を想像する方が殆どであろう。そんなハチャトゥリアンではあるが交響曲も残しており、今日は第3番の交響曲を紹介する。
曲は単一楽章からなり、およそ25分に及ぶ作品である。とにかくこの曲の特徴は「喧しさ」にある。冒頭、15本のトランペットによる大ファンファーレに始まり、それにオルガンが加わる。互いが互いを打ち消すかのように強奏に燃えているオルガンとトランペットを聴いていると、なんだか徒労感さえ覚えてしまう位である。祝典を盾にした(?)誇大妄想癖の塊のような作品ではあるが、ハチャトゥリアンの新たな側面を垣間見ることのできる作品である。

【推奨盤】
乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床
フェドル・グルシチェンコ/BBCフィルハーモニック[1993年8月録音]
【CHANDOS:CHAN 9321(輸)】