エリザベート・シュワルツコップといえば、20世紀を代表するソプラノ歌手であり、数々の名演を残しているのは言わずもがななことである。彼女が潔癖なまでの完璧主義者だったことは有名な話であり、彼女の録音はどれを聴いても圧倒される歌唱のものばかりである。
ここで紹介するシューマンの歌曲集《女の愛と生涯》はその名の通り、出会いから結婚、出産、夫との死別を描いた作品で、シュワルツコップの格調高い品位と女性らしい奥ゆかしさを兼ね備えた演奏は、感涙に浸る晩年の円熟に満ちた名演といえる。
エリザベート・シュワルツコップ(S)/ジョフリー・パーソンズ(Pf)[1974年4月録音]
【EMI:TOCE-59088】