約15年前、大きな話題を呼びCDのみならず映像も発売されたこの『忠臣蔵』だが、今となってはグランドオペラといっても過言ではない規模の大きさからか、風前の灯・・・。時々、アリアが歌われる位で、めっきり気配がなくってしまった気がする。
実に抒情的で、歌心にあふれた三枝ならではの「こぶし」の利いたメロディは、時に西洋音楽と日本語の「イントネーション」の違いからくら違和感を生み出しているかもしれないが、オペラを日本語で上演する難しさを三枝と台本を書いた島田雅彦が苦心していたことが音楽を聴いただけでも伝わってくる力作だ。作曲家特有のリズム感と旋律美に耳を傾け、一流のソリストの美声に日本人の「美徳」を見出しつつ、そんなに難しいことを考えないとしても、豪華なソリストが個性を存分に発揮し、その個性と美声を堪能したい。特に釜洞祐子の歌唱は艶やかで聞き応え充分だ。是非、もう一度当時の一流が結集して作り上げた「最高傑作」を体感していただきたい。こんな壮大なオペラはもう登場しないのではないか、とも思ってしまう自分である。
【推奨盤】

指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団
合唱:二期会合唱団/東京オペラシンガーズ
・・・
大石内蔵助:直野資(Br)
綾衣(遊女):佐藤しのぶ(S)
橋本平左衛門:小林一男(T)
お艶(大工の娘):釜洞祐子(S)
岡野金右衛門:錦織健(T)
夕霧(京遊郭の花魁):秋葉京子(Ms)
幇間:斎藤忠生(T)
大石主税:坂本朱(Ms)
神崎与五郎:勝部太(Br)
堀部安兵衛:福島明也(Br)
吉良上野介:蔵田雅之(T)
[1997年5月録音]
【SonyClassical:SRCR-1969~71】
実に抒情的で、歌心にあふれた三枝ならではの「こぶし」の利いたメロディは、時に西洋音楽と日本語の「イントネーション」の違いからくら違和感を生み出しているかもしれないが、オペラを日本語で上演する難しさを三枝と台本を書いた島田雅彦が苦心していたことが音楽を聴いただけでも伝わってくる力作だ。作曲家特有のリズム感と旋律美に耳を傾け、一流のソリストの美声に日本人の「美徳」を見出しつつ、そんなに難しいことを考えないとしても、豪華なソリストが個性を存分に発揮し、その個性と美声を堪能したい。特に釜洞祐子の歌唱は艶やかで聞き応え充分だ。是非、もう一度当時の一流が結集して作り上げた「最高傑作」を体感していただきたい。こんな壮大なオペラはもう登場しないのではないか、とも思ってしまう自分である。
【推奨盤】

指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団
合唱:二期会合唱団/東京オペラシンガーズ
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大石内蔵助:直野資(Br)
綾衣(遊女):佐藤しのぶ(S)
橋本平左衛門:小林一男(T)
お艶(大工の娘):釜洞祐子(S)
岡野金右衛門:錦織健(T)
夕霧(京遊郭の花魁):秋葉京子(Ms)
幇間:斎藤忠生(T)
大石主税:坂本朱(Ms)
神崎与五郎:勝部太(Br)
堀部安兵衛:福島明也(Br)
吉良上野介:蔵田雅之(T)
[1997年5月録音]
【SonyClassical:SRCR-1969~71】