バッハの作品は後世の多くの作曲家が手を加えて、編曲版を残している。オーケストラに編曲されたバッハの作品としてはストコフスキーやシェーンベルクの作品が有名だが、ここで齋藤秀雄が編曲したオーケストラ版のシャコンヌを紹介したい。

弦楽器と管楽器の調和と均衡が保たれたこの編曲版は、オルガンの響きにも通ずるようなオーケストラの響きがあり、美しさと荘重さに包まれている。自然と感涙に咽んでしまうかもしれないほどに、美しく感動的である。



今日紹介する映像は齋藤秀雄の没後30年のメモリアルコンサートの模様だ。小澤が奏でるこの劇的な世界・・・、まさに、鎮魂歌の如く心に響き渡る力演といえる。



【推奨盤】

乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床


小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ[2004年9月1日収録]

【サイトウ・キネン・フェスティヴァル松本実行委員会:SKF-001/2】