ピーター・グラハムといってもK-1で活躍するオーストラリアのキックボクサーのことではない。まったくの別人である。

グラハムはスコットランド出身の作曲家で、金管バンドのための作品を数多く書いている。この曲はアイルランドの伝統的な民謡から題材をとっており、とても親しみやすい曲調になっている。曲は次第に高揚して終わるが、曲の終わり方はちょっと安直にも感じる。しかし、アイルランドの民族舞踊や音楽を身近に感じられる曲である。

ちなみにこの曲を演奏している団体、関西地区で活動するオーケストラの管楽器奏者を中心に、毎年5月に集まって公演を続けている。大フィル、広響、京響、関西フィル、オペラハウス管、ほか、みな一線で活動しているだけあって、即席アンサンブルではあるが充分に聴き応えのある演奏を毎年繰り広げている。指揮の丸谷は吹奏楽好きなら今更の説明は不要だろう、大阪府立淀川工業高校吹奏楽部の「御大」である。


【推奨盤】
乾日出雄とクラシック音楽の臥床
丸谷明夫/なにわ《オーケストラル》ウィンズ[2005年5月録音]

【BRAIN MUSIC:BOCD 7164】