《ボエーム》や《トスカ》《蝶々夫人》といった、数多くのオペラを世に送り出したイタリアの作曲家、ジャコモ・プッチーニが描いた室内楽の佳品、《菊》を紹介する。
プッチーニが32歳の時、親交のあった公爵が亡くなり、その死を悼み作曲されたといわれている。曲は、まさに悲しみにあふれる美しい旋律に溢れたエレジーであり、今日ではその旋律の美しさから、演奏される機会に恵まれている。《マノン・レスコー》の終幕にも、この作品の主題は登場しており、耳に馴染んでいる方も多いはずだ。
【推奨盤】

ハーゲン弦楽四重奏団[1993年12月録音]
【DG:UCCG-3205】