ドイツの作曲家レオン・イェッセル(1871~1942)の名は、この作品のみで現在は目にすることはない。オペレッタ作曲家として活躍し、『シュヴァルツヴァルトの乙女』が大当たりしたものの、今となってはこの『おもちゃの兵隊の観兵式』のみが演奏される機会に恵まれている。人々が寝静まった夜中の子供部屋で、おもちゃ箱から飛び出した兵隊たちが整然と行進。先頭を行く兵隊が何かに躓き、それに重なりあうかのように次々と積み重なる。そして、朝の光が差し込み、慌てておもちゃ箱に一目散。といった内容の行進曲である。「キューピー3分クッキング」の曲といえば、誰もが思いだすこの作品は、いつ聞いても心踊らされる麻薬のような効果を持っている作品だ。
【推奨盤】

チャールズ・グローヴズ/フィルハーモニア管弦楽団[1988年録音]
【DENON:COCO-70610】
【推奨盤】

チャールズ・グローヴズ/フィルハーモニア管弦楽団[1988年録音]
【DENON:COCO-70610】