今日はラヴェルの作品で、結構聴きこんでいる音盤を紹介する。
今はベルリン・フィルのシェフとして活躍するラトルが、バーミンガム時代の全盛期に録音したもので、数ある彼の録音の中でも色鮮やかに描き上げられ、躍動感に溢れた録音といえる。
そもそも『ダフニスとクロエ』はバレエ音楽であるが、合唱を伴い打楽器も豊富で実に音響的にも絢爛な作品である。前半で登場する5つの動機を基に、全体は構築され、音楽的統一が図られており、ラヴェル自身、この作品を自伝の中で「舞踏交響曲」とも形容している。
組曲で演奏される機会も多いこの曲だが、全曲で聴くことにより、深く曲の構造を理解することが容易くできる楽曲といえ、お薦めできる。
因みに併録されている「ボレロ」も秀演だ。

【推奨盤】
乾日出雄とクラシック音楽の臥床
サイモン・ラトル/バーミンガム市交響合唱団/バーミンガム市交響楽団[1990年12月録音]
【EMI:CDC 7 54303 2(輸)】