子供のための作品としてたびたび紹介されるプロコフィエフの名作『ピーターと狼』だが、この音盤のキャストは実に興味深く感じる。
1990年代のアメリカのセックスシンボルといえるシャローン・ストーンをナレーターに迎え、ジェイムズ・レヴァインがオーケストラを指揮している。映画に対してかなり浅薄な知識の自分なため、『シャローン・ストーン=氷の微笑』のイメージが強く頭から離れないのである。しかし、この録音ではそんなイメージとはまったく違う、女優・シャローンストーンの本領が存分に発揮されている。子供に語りかけるかのように「優しさ」に満ち溢れたナレーションはこの作品の他の録音にはない最大の魅力といえる。ジェイムズ・レヴァインが奏でるオーケストラも好演といえる。個人的な名盤である
【推奨盤】
ジェイムズ・レヴァイン/シャローン・ストーン(朗読)/聖ルカ管弦楽団[2000年9月録音]
【DG:471 371-2(輸)】