今日はベートーヴェンの交響曲第9番の録音を紹介する。といっても、かなり雰囲気の違う第九だ。
歌詞は日本語で、マルケヴィッチの編曲が施されているものだ。日本語の訳詩を「なかにし礼」が書いているのが実に面白い。冒頭の「Freude(フロイデ)」をなかにしは「愛(あ~い!)」と歌わせているのだ。・・・なんだか痒くなってくるものだが、訳詩者ならではといっていい表現方法が多用され、「痒くなる」箇所がいろんなところに登場してくる。マルケヴィッチの編曲版を録音で聞けるのも珍しく、資料的価値の高い録音といえるかもしれない。必聴である。

【推奨盤】
乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床
堤俊作/秋山恵美子(S)/安念千恵子(Ms)/鈴木寛一(T)/宮原昭吾(Br)/栗友会/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団[1990年12月録音]
【RCA:TWCL-1006】