17歳のワーグナーが、ベートーヴェンの交響曲第9番のスコアが高価だったため、図書館に通いつめて譜面に書き綴ってできたという逸話を持つのが、このピアノ伴奏版の第九。ピアノについて疎かったワーグナーらしい、ピアニストにはかなり困難を極める編曲が施されているが、リストの編曲版とは一風代わったこのワーグナー版は一度聴いていただきたい珍品といえる。
この音盤では、ベートーヴェンの作品をバッハ・コレギウム・ジャパンが歌っている。もちろん指揮は鈴木雅明だ。バッロク音楽で聞かせる彼らの洗練された演奏の面影を残しつつ、ベートーヴェンの傑作に小編成ながらも劇的に立ち向かっている。合唱団が小編成が故、合唱の各パートが明晰に耳に飛び込んでくる。この合唱が意外と耳に心地よくなってくるのが、この録音の魅力と勝手に感じる自分だ。小川典子が奏でるオーケストラの響きもまた、いつもの彼女らしくダイナミックにかつ、繊細なタッチでまとめられており、感服である。
【推奨盤】

鈴木雅明/小川典子(Pf)/緋田芳江(S)/穴澤ゆう子(A)/櫻田亮(T)/浦野智行(B)/バッハ・コレギウム・ジャパン合唱団[1998年5月録音]
【BIS:CD-950(輸)】
この音盤では、ベートーヴェンの作品をバッハ・コレギウム・ジャパンが歌っている。もちろん指揮は鈴木雅明だ。バッロク音楽で聞かせる彼らの洗練された演奏の面影を残しつつ、ベートーヴェンの傑作に小編成ながらも劇的に立ち向かっている。合唱団が小編成が故、合唱の各パートが明晰に耳に飛び込んでくる。この合唱が意外と耳に心地よくなってくるのが、この録音の魅力と勝手に感じる自分だ。小川典子が奏でるオーケストラの響きもまた、いつもの彼女らしくダイナミックにかつ、繊細なタッチでまとめられており、感服である。
【推奨盤】

鈴木雅明/小川典子(Pf)/緋田芳江(S)/穴澤ゆう子(A)/櫻田亮(T)/浦野智行(B)/バッハ・コレギウム・ジャパン合唱団[1998年5月録音]
【BIS:CD-950(輸)】