武満徹の音楽は、時として美しすぎる程に美しい。そんな彼の作品をジャズ・トロンボーン奏者の角田健一がビッグバンドに編曲し、録音している。実に耳に心地よい響きであり、BGMとしても寵愛できそうな演奏だ。


「白い朝」「MI・YO・TA」「小さな空」「青春群像」・・・、武満の映画音楽や放送音楽(いわゆる大衆向けの作品)の代表的な佳品の数々は、この編曲ではちょっと行儀が良すぎる気もしなくはないが、それは武満への角田健一なりの敬意の表れではないかと感じずにはいられない。もっと「ジャズ」をしてもいいのではないか・・・、とも感じる録音かもしれないが、自分はこれはこれで「あり」だと思う。『小さな空』でも然り、TBSのラジオドラマのために書かれたこの曲を、ア・カペラ版とビッグバンド版で聴き比べると、、ビッグバンド版の録音の面白さを感じる事ができるだろう。

【推奨盤】
乾日出雄とクラシック音楽の臥床
角田健一ビッグバンド[2008年4月録音]
【角田健一ビッグバンド事務所:KTBB-006】


【推奨盤】
乾日出雄とクラシック音楽の臥床
関屋晋/晋友会合唱団[1992年9月録音]
【PHILIPS:438 135-2(輸)】