1748年のオーストリア継承戦争の終結のために開かれたアーヘンの和議を祝うために作曲されたもので、文字通り花火を打ち上げながら演奏されるために作曲されたものだ。当時のイギリス王の意向で初演時は弦楽器が含まれておらず、実に強大な編成だった。オーボエ24、バスーン12、ホルン9、トランペット9、コントラバスーン1、ティンパニ9、スネアドラム3、というもので、さぞや勇壮なものだったに違いない。ここで紹介する、ピノック版は意外と大人しい。勇壮というよりは優雅な響きであり、これはこれで美しい。気宇壮大なサウンドを期待して聞くと、拍子抜けしてしまうかもしれない。今日は、オリジナル版よりも、ヘンデルが強く主張していた弦楽器を含むもののほうが広く演奏されてるが、たまには強大な編成のものも面白く聞ける。



【推奨盤】

乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床


トレヴァー・ピノック/イングリッシュ・コンサート[1996年録音]

【ARCHIV:453 451-2(輸)】