今日は、吹奏楽の定番中の定番、アルフレッド・リード作曲の通称「エルカミ」を紹介する。 吹奏楽を嗜んだ事がある方なら誰もが一度は演奏してみたいと思っただろうし、コンクールにこの曲で挑んで、いい思い出、いやな思い出が甦る方も多くいる事だろう。冒頭のトランペットのアタックから一気にテンションは最高潮に達し、スペインの「ホタ」や「ファンダンゴ」のリズムを駆使し、「スペイン王の行列」を幻想的かつ、活気に満ちた音楽で表現している。副題にはラテン・ファンタジーと名付けられているが、正にその副題どおりのファンタジックなリードの絶頂期の名品といえる。
録音は今の吹奏楽ブームの火付け役といえるシエナ・ウインド・オーケストラによる、溌剌とした演奏を紹介する。金聖響の無駄のないタクト捌きから、これほどまでにカラフルな音楽が奏でられる、その魔法使いのような彼の存在にいつも感服させられる自分である。

【推奨盤】
乾日出雄とクラシック音楽の臥床
金聖響/シエナ・ウインド・オーケストラ[2006年1月録音]
【avex:AVCL-25095】