劇的なイントロが印象的なリヒャルト・シュトラウスの交響詩『マクベス』を紹介する。彼の残した交響詩の中では演奏される機会が極端に少ないこの作品は、その名の通りシェイクスピアの戯曲からインスピレーションを受けて作られている。単一楽章でできており第1主題が『マクベス』を、第2主題が『マクベス夫人』をそれぞれ表しているという。冒頭はリヒャルトらしい壮大なオーケストレーションが印象的で、弦楽器の巧みな歌い回しは、さながらアルプス交響曲をも上回るサウンドでもある。他の作品がそれはそれで鮮烈なパワーを帯びてしまって、この作品はあまり日の目を見ることがないが、ここで紹介するマゼールとウィーン・フィルの録音であれば、この作品の魅力に気付く事ができるかもしれない。
【推奨盤】
ロリン・マゼール/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[1983年2月録音]
【DG:POCG-1283】