スペインのマヌエル・デ・ファリャの『ペドロ親方の人形芝居』を紹介する。
あまり演奏される機会は少ないが、『三角帽子』や『恋は魔術師』を彷彿とさせる親しみやすい音楽が並ぶ人形劇の為の作品である。『ドン・キホーテ』のエピソードを基に、ファリャ自ら台本を手掛けている。全曲で30分程の短い作品だが作曲家自ら台本を書いた作品にしては(作曲家が自ら台本を書いた作品には往々にして駄作が多い)、まとまりのある作品となっている。

ここで紹介する録音は弱冠25歳のサイモン・ラトルが演奏する珍しい録音だ。バーミンガム市交響楽団の音楽監督就任直前に録音したもので、非凡な才能の片鱗を見せ付けてくれているが、意外にも大人しい印象を受けるのは気のせいか否か・・・。安価に入手できるので、ご一聴を!

【推奨盤】
乾日出雄の揺蕩うクラシック音楽の臥床
指揮:サイモン・ラトル


管弦楽:ロンドン・シンフォニエッタ
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ドン・キホーテ:ピーター・ナップ(Br)
ペドロ親方:アレクサンダー・オリヴァー(T)
前口上:ジェニファー・スミス(S)
[1980年録音]
【DECCA:PROA-36】