Second Life内の会話も投稿できるTwitter的サービス
モバイルファクトリーは6月6日、Twitterのようにひとことテキストを入力してユーザー同士でコミュニケーションするサービス「Wassr」(ワッサー)を公開した。Second Life内で行ったチャットのログを自動で投稿できるのが特徴だ。
PCや携帯電話、Yahoo!メッセンジャーからひとことメッセージを投稿できる。携帯の絵文字表示にも対応した。
Second Lifeに対応した。Second Life内で配布しているアイテム「Wassr HUD」を自分のアバターに装着した状態で、チャット投稿時に発言の前に「/83」を付ければ、発言場所へのテレポートリンク付きで発言内容が投稿される。
「Second Life日本語版リリースとともに一気にユーザーを獲得できる」とし、半年で50万会員の獲得を見込んでいる。ユーザーが集まれば、広告媒体として活用していく計画だ。
トランスコスモス、フロム・ソフトウェア、産経新聞社3Dバーチャルコミュニティ事業を扱う合弁会社設立
トランスコスモス株式会社、株式会社フロム・ソフトウェア、株式会社産業経済新聞社の3社は6月5日に都内で発表会を行ない、3Dバーチャルコミュニティを創設するため、合弁会社「株式会社ココア (Co-Core)」を設立したと発表した。サービスとしている3Dバーチャルコミュニティは「meet-me (α版)」で2007年内に開始する予定となっている。
「meet-me (α版)」は、カーナビと同等のデジタル地図をベースにリアルに東京を再現したバーチャル世界で参加者が自由なコミュニケーションを楽しむことができる。街のランドマークとなる有名な建物については実際の建物を再現することで、ユーザーの感情移入を促進。さらに、季節や天候なども現実世界を反映させる事でも、現実と「meet-me (α版)」の世界観がオーバーラップするようにする。
発表会場では渋谷のランドマークのひとつ「109」のビルを前にしたプレーヤーキャラが周りを見渡しながら散策するデモ映像が流された。駅のまえには「QFRONT」があり、現実の建物と同様にフロント部分には電光掲示板が用意され、フロム・ソフトウェアの「ARMORED CORE 4」の映像が映し出された。しかしながら現実とまったく同じ風景ではなく、視界に観覧車が見えたりする一方で、駅前には丸い牛が放牧された牧場のような場所や民家があったり、のどかな風景も見られた。
現在開発されているのは渋谷だが、同社によれば近い将来には東京だけでなく、他の都道府県エリアも構築していくとしている。また「meet-me (α版)」は日本人だけでなく、アジアや欧米のユーザーを観光客として呼び込む意向で、英語や中国語、韓国語のメニューも加えるという。
ビジネスモデルとしては、同様のサービスとしてすでに存在する「Second Life」のように土地の販売の他、アバターや関連のグッズの販売といったアイテム課金、前述の通り、ランドマークとなる建物等を使った広告の収入なども考えているという。
「Second Life」ではツールを使用して様々なものを創出でき、ユーザーによる自由度の高さが注目を集めているが、「meet-me (α版)」ではユーザーに自由度を与える一方で、インターフェイスを工夫し誰もが扱えるようにする。発表会に出席したフロム・ソフトウェアの神直利代表取締役社長は「オープンソースは日本人には合わないのではないか」とし、「親切な環境を提供する必要がある」と語った。たとえば家を造るのであれば、最初から様々なものを変形させて漠然と制作の過程で家を作っていくのではなく、「家を造りましょう」といった風に概念を固定する形で、よりユーザーに寄り添ったインターフェイスを提供し、ものを作り出してもらうよう考えているという。家庭用ゲームを作り上げてきたフロム・ソフトウェアの技術力の蓄積がこういった所に活かされていくという。
自由度と同時に重要なもののひとつとして、「コモンセンスの維持」が挙げられる。アダルトコンテンツやギャンブルなど「現実の世界で法に抵触すること」については、「meet-me (α版)」でも排除していくという。これはシステム的に排除するだけでなく、24時間の監視体制でできうる限り対応していきたいとしている。女性や子供を含めた多くの人々が楽しめるような世界の構築・運営を目指している。この点について神氏は「ギャンブルなどシステム的に用意されておらず、システム的にできない。このように初めはシステム的にできないようにし、徐々に広げていく方向性になると思う」とし、徐々に自由度を増していく中で、コミュニティとして“(公序良俗の) 線引き”を考えながら対応していくようだ。
「meet-me (α版)」は現在、Windows Vistaプラットフォーム上で最適稼働するように開発が進められている。これはVistaのみに対応という意味ではなく、システム的にある程度カットすることで他のOS(具体的にはWindows XPなど)でも動作することは考えられるという。現在はハード的にもかなり高いスペックが想定されていると言うが、開発が進められていく中で徐々にブラッシュアップされていき、調整されていくようだ。
同時に携帯コンテンツとしてもサービスが計画されている。携帯電話ではテキストによるコミュニケーションや「ペットを飼う」といったアイディアが披露された。しかしながら現状開発はまだ進んでいないようだ。
プレイステーション 3やXbox 360、Wiiといった家庭用ゲーム機については、「まったく考えていないわけではない」としているが、様々な理由で、サービス開始当初はWindowsでのサービスとなる。ちなみに同社の発表した事業内容には「家庭用ゲームの企画・開発・販売」といった項目が盛り込まれているので、問題が解決すれば開発が行なわれるのかもしれない。
さらに事業内容には「インターネットを利用したオンラインゲームの企画・開発・配信・運用管理」といった項目も見られる。自由なシステムの中では様々なサービスが想定できるので、長い目で見ればゲームソフトも内包し、色々なサービスが楽しめるようになると思われる。
今回の3Dバーチャルコミュニティ事業のベースの構想については、トランスコスモスの森山雅勝専務取締役が発端となっている。同氏は「ポイントを企業が発行してそれをサービスとして利用できるようにするのであれば、通貨と同じようなものではないかと感じた。それを企業が自由に発行できるのであればおもしろいことができる。それを有効に活用できるのはメタバースの世界ではないだろうか」と着想がポイント制から来ていることを明かした。しかし、なかなか具体的に話が進まなかったが、フロム・ソフトウェアの神直利氏が賛同し、両氏の間で具体的な話が進展するに至って、一気にここまで来たのだという。
また、バーチャル空間ならではのコミュニケーションに興味を示し「たとえば実際に靴を選んでいるときに隣にいる見ず知らずの人に感想は聞けないが、メタバースの世界であればできるのでは」と例示し、現実世界とは違ったコミュニケーションが生まれる可能性を示した。
一方、フロム・ソフトウェアの神直利氏は「23区の建物が170万、駅が500くらいということで、開発は地獄」と語り、作業分量が膨大な数にふくれあがっているという。一方で「開発していて楽しい」としており「(開発が大変で) ピンチでもあるがチャンスでもある」と期待を寄せている。
産経新聞社の阿部雅美取締役もメタバースには大きな期待しているといい、「強い興味と関心を持っている。インターネットとはまったく違ったコミュニティの可能性を秘めている。インターネット上ではあるが、インターネットを飲み込むのではないか」とコメントを寄せている。
発表会にはこのほかにも、ビジネスパートナーとして株式会社ぴえろの本間道幸氏と株式会社プロダクション・アイジーの石川光久氏が出席。両社はキャラクタの関連ビジネスなどでの参入が見込まれているが、具体的にどういった形で「meet-me (α版)」に参加するかはまだ話し合われていないようだ。しかし本間氏は「アイドルを作ろうかな」など、単純に同社の持つ映像作品を上映するなどだけではなく、新しい仕掛けも考えているようだ。一方石川氏は「ぴえろに比べキャラクタビジネスは弱いが、メタバースの世界はB to Cなので、クリエイターが参加しやすくなる。クリエイター集団であるプロダクション・アイジーにとってチャンスが広がった」と前向きに捉えている。
最後に、RMTについては「当初は考えていない。法整備などが整い絶対に大丈夫になれば考えるが、現状ではグレーゾーン。ポイントは発行するが直接換金できるものではなく、ユーザーの皆さんに価値を感じて貰えるようなものにしたい」としている。また土地の転売については「絶対になくすことはできないが、なるべくさせないようにしたい」とコメント。すでにホームページ上には「土地予約」の項目がある。これは「meet-me (α版)」が実際の地図に基づいて作られていることから、実際の場所にある企業などに打診し、土地を予約して貰うといった営業を行なう予定だという。ただ、「一般ユーザーの不公平感」ができる限り小さくなるよう考えながら土地の提供は行なっていきたいとしている。