こんにちは。
自然治癒力と免疫力でからだの不調を改善
健康ダイエットコーチの濱西です。
年齢を重ねても元気な人は何を食べているのでしょうか。
医師の和田秀樹さんは「血圧を気にして粗食を心がけるあまり、セロトニンが不足する高齢者が増えていますね。これでは前頭葉の情動コントロール能力が低下してしまいます。年齢を重ねるほど食べてほしい食材があるんです」といいます。
年齢を重ねるとそれに応じてどうしても避けられないのは「血圧」の高さ。
このあたりも食事において、私たちは気になりますよね。
ということで今回は、精神科医の和田和樹さんより、年齢を重ねるほど、どういった食材を食べるべきなのか記事を投稿いただきましたので、紹介したいと思います。
参考になれば幸いです。
以下引用:
◆日本人はなぜ「血圧」をこんなに気にするのか
1950代以降の日本では、それまでの結核を押しのけて「脳血管疾患」が死因の第1位になりました。脳血管疾患には「脳出血(出血性脳卒中)」と「脳梗塞(虚血性脳卒中)」の両方が含まれますが、50年代から70年代まで主流だったのは脳出血です。このことが、現在に至るまで日本人のトラウマのようになっていると私は見ています。
というのも、脳出血は脳の血管が切れることで起きる病気です。血管が切れやすくなる原因は、おおむね2つ。血管そのものが弱いことと、血圧が高くなることです。
前者を防ぐためには、血管の材料であるタンパク質を十分に摂取しなければいけません。つまり、肉を食べたほうがよいのです。ところが80年代以降の日本は、アメリカの「肉を減らそう」キャンペーンを取り入れてしまいました。そのため、血管を丈夫にすることで脳出血を予防しようという考え方があまり広まらなかったのです。
その結果、死因第1位の脳血管疾患を減らすための方策として強調されるようになったのが「血圧を下げよう」です。高血圧の予防のために、盛んに「減塩」がすすめられるようになりました。食事の塩分を控えめにしようと思うと、多くの人は肉料理を避けるようになります。たしかに塩分を減らせば血圧は下がりますが、一方で血管を強くするためのタンパク質が摂りにくくなった面もあるのではないでしょうか。
とはいえ、高血圧の予防によって、たしかに脳出血の発症率や死亡率は下がりました。70年代中頃以降は、脳出血に代わって脳梗塞が脳血管疾患の主流になっています。
◆セロトニン不足で前頭葉の働きに衰え
ところが、脳出血が減った現在でも、日本人は相変わらず血圧を下げることに熱心です。広い世界の中でも、日本人ぐらい血圧に対してセンシティブな国民はいません。
その証拠に、中高年が集まって酒を飲んだりすると、必ずといっていいほど「おまえ血圧いくつ?」という話になる。しかもほとんどの人が「俺は上が150で下が95」などと即答できます。さらに「そりゃあ、高いなぁ」などと医者でもないのに診断する人もいるのが日本です。こんな会話は、ほかの国ではまずあり得ないでしょう。
これが、脳出血の多さによって植えつけられた日本人の「トラウマ」にほかなりません。必要以上に血圧を気にするために「減塩」にこだわり、そのせいで日本の高齢者はますます肉食を敬遠するようになりました。
しかし、80年代に「肉を減らそう」と言い始めたアメリカでさえ、90年代以降は「コレステロール値と食事の関係は個人差が大きい」という研究が増え、2015年以降、食事のガイドラインからは「食事によるコレステロールの摂取制限」が撤回されました。「肉食=悪」という構図は、世界的に見てもとっくに崩れているのです。
それなのに日本人だけは、いまだに「高齢者が肉食をするのはよろしくない」という固定観念にとらわれています。しばしば「日本の常識は世界の非常識」といわれますが、これもその典型例のひとつです。
この奇妙な「常識」のおかげで、日本の高齢者はセロトニンが不足し、前頭葉の働きが衰えやすくなってしまいました。脳出血で死亡する人は減り、脳の血管はキレにくくなりましたが、その代わり前頭葉の情動コントロール能力が低下して、高齢者の頭がキレやすくなったともいえます。それだけならまだしも、「幸せホルモン」が足りないがゆえに高齢者が自分の生活に満足感を得にくくなり、老人性のうつ病も増えました。それがこの国の現状なのです。
◆1日150グラムを目標に肉食を!
しかし、ただ単に「肉食=悪」という思い込みを捨てれば高齢者の食生活が変わるかと、話はそう簡単ではありません。正しい知識に基づいて行動したくても、体がそれについてこれない人もいるからです。
日本人の場合、高齢になるにつれて胃腸が弱り、肉をあまり食べられなくなる人はめずらしくありません。めずらしくないどころか、そもそも日本人の胃腸はあまり肉食に向いていないように思われます。
これは、長年にわたって粗食を強いられてきたせいもあるでしょう。また、江戸時代には、獣肉食が(少なくとも建前としては)禁じられていました。実際には、病気の治療や滋養のために獣肉を「薬」と称して食べることはありましたし(これを「薬喰い」といいます)、ウサギを「1羽、2羽」と数えるのは「これは鳥だから食べていい」とこじつける方便だったという説もありますから、まったく肉を食べなかったわけではありません。
◆脳内で「幸せホルモン」として働く物質
しかし日本人が長いあいだ肉食文化から遠ざけられていたのはたしかです。
胃が弱いのが日本人の国民的な体質であることは、薬の副作用を見てもわかります。私たち精神科医はうつ病の患者にセロトニンを増やす薬をよく処方しますが、これは脳内では「幸せホルモン」として働くものの、胃にはあまりよくありません。とくに高齢者の場合、胃のムカつきや吐き気などの副作用が多く見られます。
うつ病の薬だけではありません。同じような副作用は、骨粗鬆症の薬でもよく生じます。しかしうつ病でも骨粗鬆症でも、欧米ではこうした副作用がほとんど報告されていません。やはり、日本人は欧米人と比べて胃の弱い人が多いのです。
ですから、前頭葉の活性化のためには「無理をしてでも肉を食べろ」とは私も言いません。ただ、「肉は体によくない」という思い込みだけは捨ててほしいと思います。その思い込みがあると、胃の弱い人は「タンパク質は体にやさしい魚や大豆食品で摂ればいい」と思ってしまい、食べられる量の肉さえ食べようとしません。それでは、脳内のセロトニン不足がどんどん進んでしまいます。
肉が苦手な人でも、少しずつ食べて習慣づけることで、胃腸が受けつけるようになることもあるでしょう。まったく肉を食べていない人も、たとえば1週間に1食か2食、豚肉や鶏肉を中心にしたメインディッシュを食卓に並べてみてはどうでしょう。それぐらいでも、セロトニンの不足はいくらか補えるはずです。
もちろん、胃腸が丈夫で肉をたくさん食べられる人は、「体にはあんまりよくないよな」などと遠慮することなく、どんどん食べてかまいません。
◆前頭葉の老化防止のための肉摂取量
厚生労働省のガイドラインでは、タンパク質を65歳から74歳の男性で1日60グラム、女性では1日50グラム摂取することを推奨しています。たとえば豚ロース肉100グラムに含まれるタンパク質はおよそ20グラム。タンパク質を豚肉だけで60グラム摂ろうと思ったら、かつてのアメリカ人の平均量と同じ300グラムになります。日本人の胃腸には、負担が大きい量でしょう。でも、食べられる人はそれぐらい食べてもよいのです。
とはいえ、タンパク質は魚、卵、大豆製品などにも含まれていますから、肉だけで賄うのはやや無理があるかもしれません。しかし、ほかの食べ物で必要なタンパク質が摂れたとしても、コレステロールがセロトニンを脳などに運ぶことを考えると、セロトニンはやはり肉から摂るのがいちばんです。
一般的には「肉は1日100グラムぐらい」がよいとされていますが、前頭葉の老化を防いで活気ある日々を過ごすには、それではちょっと足りません。150グラム程度を目標にして、しっかり肉を食べる習慣をつけるのがよいのではないでしょうか。

