日経新聞もストーリーで読め | "ナレッツェリア"

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ビジネスの智恵工房

いま新聞社は瀕死の状態だ。新聞を読まないヒトが増えているから。。。

ところで、ひとごとではなく、「あなた」は、新聞を読みますか?

“NO”と応えた“あなた”には ぜひ今からでも日経新聞を読みながら
朝の思考習慣をつけることをお勧めします。

「読書」は時間がないのであとまわしというヒトも、
「新聞は時間がない」ので読みませんという答えは、理由にならないでしょう。


クラッカー読んでいるだけで、見えていない
日経新聞や東洋経済などの経済誌をじっくりよんでいるつもりでも、
実際には記憶に残らないし、意外と覚えていないものです。
まして読んだ内容をインプットにして行動にうつしてなどいないもの。


ためしに、今朝の朝刊の「企業欄」にどの企業の、
何が記事にとりあげられていたかを、おもいだせるだけメモ帳に書きだしてみてください。

『えっ。何が書いてあったっけ?』、
『えぇ・・・・っと!?』。。。なんてつぶやきながら
ボールペンが紙の上で止まっているのではないでしょうか?

実際に書いてあった記事には。。。
富士重、群馬で生産増強 車種変更も柔軟に

あれ、「いつから(When)?」生産増強って書いてあったかな?

ええ、もちろんありました「2011年度中に生産能力を現在より4%増やし年42万台とする。。」

では、「いくら投資して(How Much)?」

えっと、、????。。。

そもそも1円の円高で営業利益に
50億円のマイナス影響があると発表している会社が。。。

「なぜ(Why)?国内生産を増強するのか??」その理由をしりたいですね!?

残念!この「なぜ(Why)?」に応えた部分は載っていませんでした。
更に言えば、この「なぜ(Why)?」に応えた記事はほとんどありません。

へぇ~と思われるかもしれませんね。

でもね。。。、事実です。

一度、日経新聞を開いてみて線を引きながら読んでみてください。当然ですが、
①誰が(Who)
②誰と(whom)
③何を(What)
④どうした(How)
⑤いつから(When)
⑥いくらで(how much)
⑦どこで(where)orなぜ(why)
を意識して赤線を引いてみてください。赤線といっても競馬の予想とはちがいますよ。

少なくとも2つのポイントは、めったにみつかることがありません。

まず「なぜ(Why)」にあたる記述部分がみつからないのです。
前述の記事で言えば、
『なぜ「富士重工」が国内生産の増強をはじめる」のか?』

これに対する解説は戦略の裏話を公開してしまうので
普通は新聞社へのプレスリリースや取材に応える内容ではありません。

ここまで読んでみていかがですか。。、
みなさんが、いま新聞を読む際のスタンスと比較して大差ないでしょうか?

私が推薦している読み方は、ある種のフレームワーク読みなのです。
フレームワーク読みをすることで記事に抜けている内容が一瞬でわかるのです

しかも。そこに戦略ストーリーがある記事は
アタマに刺激的なものだ。

しかも、その戦略の裏側で何がおきたかは、新聞にはのらないんだ。。。目

実は、時系列で新聞記事やニュースリリースを探るとストーリーが見えてくる。

実際、8月12日のブルームバーグ記事に
【高いブランド力で米国や中国で順調に四輪車販売を伸ばしてきた富士重工業が「忍耐を試される」状況にある。
中国での現地生産開始が遅れていることで、今後5年で世界販売4割増を狙う中期経営計画の屋台骨を揺るがしかねない事態となっている。ー後略】

同じ記事に【現地生産の開始時期が分からないため、生産規模や投入車種についても決めかねているのが現状だという。国の認可が下りた後も、技術や投資など詳細に合意点を探る必要がある】とも記載されている。

富士重の10年の中国販売は5万7000台。
「フォレスター」は3万6000台、「レガシィ」と「アウトバック」は合わせて2万台、
「インプレッサ」が200台で、購買層は主に都市部の富裕層だ。

この記事をみて「やっぱり中国か!」
くらいに感じる方もいるだろう。

実際に、会社の上司から『中国進出について調べておいて』
といった程度の指示が飛ぶケースがほとんどだろう。

しかし、もう少し注意深くフレームワークをもって、
この記事に書かれた事実をチェックする必要がある。

『富士重は中期経営計画で、2015年度の世界販売90万台を目指しており、
うち中国販売は現在の3倍となる18万台へ伸ばす計画だ。』

『中国生産を始めることで海外生産比率も10年度の25%程度から約40%へ拡大し
、円高の影響も軽減できる。』

『計画の成否は中国にかかっている』

これくらい中国でビジネスを成功させる為のスタンスがハッキリしていれば、
いつ新聞記事に遭遇しても答えをだすのに有効な記事か否かは瞬時に判定できる。

つまり『この瞬間に白黒つけるべき問題は何ですか?』というイッシューが具体的になっている。

しかし、ここでも、中国にいくら投資して、いくら儲けるのか
は伏せられている。(How much)

つまり一見して戦略の裏側がみえているようでも、
この記事では、ふせるべきところは伏せているのです。

通常は3W1Hを整理したら、「なぜ、富士重は中国で販売に力点をおくのか」という
戦略の裏側をロジカル・シンキングで、みぬかなければ
自社の問題解決に寄与できないものです。

単純に、3W1Hでとどめていたら「ナンチャッテ」ロジカル・シンキングになってしまう。

中国進出を云々の前に、「なぜ?」という問いかけから見抜く戦略ストーリーが重要なのだ。


ヒトは瞬時に思考するが、何に基づいて何をうみだすのが、“思考する”ことなのか?
私は、過去のアイデア発想を毎朝の新しい情報で一部を破壊し、一部を新しい情報から生みだされたアイデアと入れ替えていくことが「思考した」と定義しています。

つまり、かつてゲットした新聞記事やアイデアや食感、匂いなどの知覚や感覚が
破壊されて部分否定されるか、全否定され、入れ替え作業や再構築作業が、
頭の中で行われている。

これを「思考した」と呼んでいるのです。

知識と知恵をレバレッジする方法論を
ご存知ですか??ニコニコ

あっ二つ目のポイントと その方法論は・・・また、いつか。。。
長くなりましたが。。お付き合いいただきましてありがとうございます。