猫肥ゆる秋になりましたね

これから時期の我が家の食卓は
鍋と酒の肴少し。
そんなバリエーションが増えてくるのですが、
料理を作る時に
いわゆる料理本よりも、
その人物像がみえる本シリーズが結構好きで、読み物としても何回も読み返しては、その世界に旅するのも楽しいもんです。
それとは別に同じものにテーマを絞った本も好きです。
今日は食欲 読書欲も満たされる本のご紹介。
「向田邦子の手料理」
実家の祖母の本棚には向田邦子さんの本が一式揃っていて、小学生位から暇があれば読んでいました。
ホレタハレタだけではない生々しい現実的な描写が子供心に、見てはいけないけれど覗きたい…ませた娘でした。
大人になってから書店でたまたま見かけたこの本には、小説やエッセイで読んだ料理が出ていて、初めて買った料理本です。
「豆腐百珍」
夫の作る がんもどきは旨いなぁと思います。日持ちもしないから その都度
野菜を細かく茹でて、豆腐をすり合わせて、素揚げして 湯にくぐらして。
昼間の料理の仕事に通ってる家の傍のお豆腐屋さんでは、今だに焼豆腐は一度豆腐を圧して、藁の炭火で焼いて、だから鍋にいれた時に膨らんで出汁が含んで旨い。ただ見た目を焼き目つけた豆腐とは味が全然違います。
繊細だけど、力強い豆腐という食材を上手に扱うのが苦手な私としては、プラスαの一品として逸品になるべく練習中のレシピ本です。
「やさいのかみさま」
私のおじいちゃんは農大出の中学教師で、趣味の畑…の割には超スパルタでした。400坪の畑には年間計画を立て、規律正しく野菜や果物を植え、夜中には懐中電灯で点検しに行く程。畑作業を手伝うと、いいかげんにやると怒鳴られる事も度々(笑)
スズメがついばんだ苺が実は一番甘いので、残りを削っていただいたり、もぎたてのトウモロコシを食べたり、今考えれば豊かな食生活だったと思います。
この本の作者 カノウユミコさんの後書きに、
“私の考える健康とは、真の自分とつながり、生きる目的を悟りながら、一瞬一瞬に生き、自分の思いを現実に創造していくことだと思う。
そのためには、自然に根ざした食べ物や、生活の仕方、動き方、意識の持ち方が大切になる。”
“地球のリズムと調和的に生きている野菜たちを生かして料理し、その生まれたエネルギーで、今を生き、愛を形にしていければと、そう願いつつ、今日も、私は台所に立っている”
なんて自然で素敵な信念でしょうと思います。
苺の苗を誤って踏んで「苗は生きてるんだ!」って祖父に怒られたなぁ…
そんな事を思い出します。
「白洲次郎 正子の食卓」
私が白洲夫妻を知ったのはインテリアコーディネーターの仕事時代の時でした。今年はこれが流行りの色、家具、デザイン、このテイストにはこれが常識…
なんかうんざりしてしまったんですな。
その家の住人がその人らしく生活出来るモノってなんだろうなぁ、そのモノを欲しいと思う要求の根の部分は何だろうかなぁ、そこまでインテリアコーディネーターとして入って行くべきなのか、適当に売るべきなのか模索してた頃に知った人物です。
住処は、その人の全てだと思います。
狭い家でも、広い家でも、新しい家でも古い家でもいい。豊かさの空気があれば。
この豊かさというのは、
楽しもうとしてる家かどうかだと思うのです。
きちんと整理整頓するのも、本人が楽しいならばオッケーですが、そうしなければいけない、他人から見られたら恥ずかしいからとか、そういう強迫観念だったら緊張した寂しい空間になってしまうとおもいます。
ある程度片付けて、後は、
自分が心地よいと思うモノを探して、購入して大切に使い続ける、白洲夫妻の生活をみると、とても素敵な豊かさが垣間見れます。
「あなたのために 」
辰巳芳子さんは、今 私達が習ってる書道の先生のお友達だという事もあり、エピソードをよく伺います。
病苦の父の為に作ったスープをまとめたこの本は、誰が作っても同じ味になるように徹底した理系な料理本として最骨頂だと思います。
私の拙い書評では、以上の本の素晴らしさを伝えられないのですが、
秋の夜長の一冊に、秋の食卓の彩りに是非どーぞ
