「法律にもあるとおり、いわば罪にひきつけられてわれわれ監視人を派遣せずにいられなくなるんだ。そのどこに誤りがあるというんだね?」

※法律/Gesetz→Geschichte/出来事、事件、歴史、物語

 罪/Schuld/負債、責任、罪

 監視人/Wachter→Vater

《「物語にもあるとおり、いわば責任上われわれの父なるもの(根源的な父)を派遣せずにいられなくなるんだ。親が子を迎えに来る、そのどこが違っているというんだね?(これこそ理の当然というもんだよ)」》

 

彼はなんとかして監視人たちの考えのなかにしのびこみ、それを自分の遊離にしむけるか、あるいはそれに同化しようとした。

※考え/gedanken→gedenken/記憶、想い出、回想

 有利/Gunsten→Unst/文芸、芸術

 同化/einburgern→einwiegen/苦痛を和らげる

《彼はなんとかして監視人たち(父なるもの)の回想(ユダの件)のなかにしのびこみ、それを自分の文芸(作品)にしむけるのか、あるいはそれの(苦痛)を和らげようとした。》

「見ろよ、ヴィレム、この人は物語(ユダの件)を知らないと認めておきながら、そのくせ自分は無罪だと言い張っているんだぜ。」

 

馬鹿だからこそあんなに確信ありげにふるまっていられるんだろう。

※馬鹿/Dummheit→Dunkelheit/暗黒、不分明、秘密、人に知られていない

 確信/Sicherheit/心配しない、安心

《秘密(人に知られていない)、だからこそあんなに心配しないでふるまっていられるんだろう》

 

おれと対等な腎減と二言三言話さえすれば、こいつらといつまでも話しあうのと陽悪にならぬくらい事がはっきりするにちがいない。

※話し合う/Renden→Leiden/我慢する、苦しむ

 比較にならない/unverleihlich→unverganglich/不滅の、永遠の

《わたくしが光(真理)と対峙するなら「自由・平等・博愛」のもとに、こいつら(わたくしを含め父なるもの、わが民族)のいつまでも続く長い苦痛など永遠に払拭できるに違いない。》

 

彼は部屋のあいた場所を二、三度行き来した、

※あいた/freien→dreien/三つ

☆部屋のような形(四角形)を三等分する(自由・平等・博愛)

 

向こうがわに例の老婆は、彼女よりもっとひどい年寄りを窓ぎわにひっぱってきて抱えてみさせているのが見えた。

☆もっとひどい年寄り(この『審判』はどこを切っても『父・母・子なるものである』

 

「ところで忠告でしときますがね」、と彼はつけ加えた。「部屋に戻って、おとなしくしていて、指示が下るのを待っていた方がいい。つまらん考えごとで気を散らしたりしないで、気をたしかに保っておけと忠告するよいずれ途方もない要求がくだされるのだから。」

※忠告/raten→leiten/導く、案内する

 指示/verfugt→Verfall/衰弱、暴落、消滅

 要求/Anforderungen→anfullen/満たす、いっぱいになる

 gestllt→getirnt/星のある

 おとなしく/ruhig→(ein )reihig/一列の、並ぶ

 気を散らす/zerstreuen→zersetzen/解体させる

《「ところで案内しますがね」、と彼はつけ加えた。「部屋に戻っておとなしくしていて、指示が下るのを待っていた方がいい。つまらん考えで(何々を)かいたいさせたりしないで気をたしかにたもっておけと忠告するよ。いずれ途方もなく星(光)でいっぱいになるのだから。》