夜明け前から待っていた。
夜明けの黎明さが全体を包んでいた。
山の稜線が染まりだした。
少しずつ明るさを増していく。
明るいところを凝視している。
目をそらす
風景が暗く感じる。
明るい稜線に楼閣を入れた。
太陽がゆっくり上がってきた。
いま頭を出したのにすぐ全体が出て来た。
意外と登るのが早い。
古代の風景だ!! |

弥生時代と同じ風景だろうか。
そう考えた。
かけがえのない風景を見ている気持ちだ。
こころが洗われる瞬間だ。
古代人の顔は、朝日で真っ赤になっている。
家族を呼び、何か言っている。
今は一人で見ている。

楼閣から日が注いだ。
古代人は狂気乱舞している。
熱心に踊りを踊っていた。
若い巫女が白装束で踊っている。
村人は、跪き祈っている。
巫女は何か口走っている。

楼閣の屋根から日が注ぐ。
巫女の踊りはより激しくなる。
村人は太陽を見ている。
勝手な空想をして太陽を見ていた。
古代人も見ていたのだろうか。
見ていたと思う。