いい人、いい物
経済界の佐藤正忠さんは今でも一ヶ月に一度、
みんなに葉書を一枚送ってくださる。
いつも何か学ぶことが書いてあります。
今月は、佐藤さんが雑誌を始めるに当たって
故・小泉信三氏に序文をいただいた、曰く
「骨董品は、一番愛してくれる人のところに
集まるものです。人間も同じで、人物を一番愛する
人のところに人材が集まるのです」
佐藤さんの原点なのだなと改めて思いました。
私も可愛がっていただくから、
やはり正忠さんに呼ばれればすぐ駆けつけたものです。
このごろは車椅子でゴルフをされないようですが、
朝が大嫌いの私が、
正忠さんから誘われると、
とにかく4時起きで出かけたものです。
スリーハンドレッドでも
みんながやってくるころの8時には上がって、
朝ご飯をいただいて解散。
出光美術館の所蔵展が今開かれています。
出光さんは本当にいいものを愛したから
いい物が集まったのだと思いました。
美術館を大事に受け継ぐお孫さん・佐千子さんが
育っているのも不思議ではない。
この板谷波山の壷を見て、
友達の婚約者のおじいさんだったと思い出す、
この友人が結婚するとき、
「彼の家でおじいさんの壷を一つ売って
結婚費用を出してくれるのですって」、と
友達から聞きました。
もしかしてこの壷かしら。
それならいいところにお嫁入りしている。
ところで、私が月刊「ぺるそーな」を
発刊するときは、
日下公人氏が序文を書いてくださったのです。
「いかがわしいことをすることが大事なのだ、
いかがわしいとは、いかがなことか、ということ
です。・・・・」と。
あとで自分で哲学しました。
つまり、自分でやるべきだと確信したことは、
勇気をもって自己責任で始める、それが
お役人的な人の目には「いかがなものか」と
映るだけ。はじめの一歩、
それをしなくては何事もはじまらない。
