久しぶりに茶碗を挽きました。
蓼科の山の中に籠もっている陶芸家に出会いました。
この正月のころ、私が茶碗を挽いて形づくり、
三島茶碗にと頼んできました。
この人は三島が得意そうだから。
半年ぶりに出来上がっていました。
三島茶碗は本当に手間がかかります。
この茶碗、よくできて嬉しい、
抹茶を立てて飲んでみると
良いか悪いかすぐわかります。
美味しく飲めればいい茶碗です。
茶碗を教えてくださったのは
亡くなった茶道具商の味岡敏雄さん、
とにかくマネろ、と
いい茶碗を惜しげもなく
手本にさせてくださった。
ようやく無の中から
自分の好きな形をつくれるようになりました。
茶碗のいいか悪いも
一瞬で感じるようになりました。
今頃味岡さんのありがたさが
身にしみてわかるようになりました。
人は思い出で心にいつまでも生きます。
マネこそ「学ぶこと」だとここで知りました。
繰り返し作ってナレることが「習う」だと知ったのです。
作品の発表は自分の勇気の表現です。
