ヘンリー・フォンダはいつでも通用する
月刊「ぺるそーな」7月号の
岸 仁美さんの「私の名画」は
「12人の怒れる男」
若い岸さんが、
ヘンリー・フォンダに目を留めてくださるとは
私も古くなっていなかったとほっとしました。
ヘンリー・フォンダのあの顔と姿から
にじみでる知性がこの映画に大事。
では岸さんのコラムをちょっとご紹介
『 十二人の怒れる男 』
「来年のことを言うと鬼が笑う」という諺があるが、
今年の辞書には「来年のことを話さないと日本国民が泣く」
と付け加えておくと良かったかもしれない。
来年2009年5月迄に「裁判員制度」がスタートし、
誰でも「裁判員」に選ばれる可能性がある。
刑事裁判に一般市民が参加し、無罪か有罪か判決を下す。
ニュースとして事件を捉えていた私達が、
突然法廷に出向き、今まで経験したことのない状況に身を置くのだ。
専門的な知識もなく、果たしてどこまで
公平な裁きができるのか。裁判員自らの一言が、
人間の生死を決定づける一言に繋がる。
責任の重い立場に立たされるが、心づもりはできているだろうか。
アメリカの陪審制を題材にした映画
『十二人の怒れる男』を、改めて観たくなった。
・・・・・
裁判員制度を目前に控えた今だからこそ、
学生の頃ピンとこなかった作品の問いかけに
反応することができた。
陪審員の表情や立ち位置まで気になり、
一人の役者を追っかけて見直すほど、
作品の虜になってしまった。
・・・最後まで有罪を主張していた3番は、
喧嘩別れした息子と被告の少年がダブり、
許せない私的な感情から有罪票を投じていたことを認めた。
評決は12人全員一致で「無罪」。
真実は神様しかわからないが、
12人の陪審員は法廷を背にし、
雨上がりの晴れたマンハッタンへと散っていく。」
私の意見をいえば、
まだ日本には裁判員制度は早い、
悪いと思った法律は撤回する勇気も政治にほしい。
